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残暑にもピッタリ! 知ればもっと味わいたくなる“ビール”の豆知識

ダ・ヴィンチニュース 8/24(水) 11:00配信

 今年はとにかく暑い日が続いている。真っ昼間に動き回り、カラッカラになった体をうるおしてくれるのはやっぱりビールではないだろうか。枝豆を片手にビールを一気に流し込む。もうその響きだけで、のどの奥がキューっとなる読者のみなさんも少なくないはずだ。

 居酒屋では「とりあえず一杯」の定番ともなっているが、当たり前過ぎてじつは、ビールの細かな知識を得る機会もなかなかない。そこで紹介したいのが書籍『ビールにまつわる言葉をイラストと豆知識でごくっと読み解く ビール語辞典』(リース恵実:著、瀬尾裕樹子:監修/誠文堂新光社)である。

 豆知識といえどあなどるなかれ。世界中のビール事情や誰かに伝えたくなるうんちくもたくさん盛り込まれた一冊であるが、本書の内容をわずかながら紹介していこう。

◆発酵段階の違いで「ラガー」と「エール」に分かれる

 そもそも一般的なビールとはどのように造られているのだろう。本書によれば、その工程は収穫した大麦から「モルト」と呼ばれる麦芽を作るところから始まる。

 大麦の汚れを水で洗い落としたのち、発芽に必要な水分を吸収させるための工程「浸麦」へと進む。やがて水分を含んだ大麦はもやし状の芽を生やした状態の「緑麦芽」となり、大麦のデンプンやたんぱく質を分解するための酵素が発生する。

 ある程度の状態になったら温風で発芽を止め、さらに強い熱により乾燥させて香ばしさを高める「焙燥」という工程へ移る。仕上がったモルトは粗めに粉砕され、次に、お湯と混ぜることでのり状の「マッシュ」にしてから、これをろ過することで「麦汁」が完成する。このとき、よく耳にするハーブの一種である「ホップ」と共に煮立て、風味をさらに加えていく。

 麦汁が適温になったところで、いよいよ発酵へ。じつはこの段階でビールの種類は「エール」と「ラガー」に分かれる。

 エールとは発酵段階で、樽の表面に浮かんだ酵母を活かす「上面発酵」で造られるビールの総称。反対に、樽の底に沈んだ酵母を使った「下面発酵」によるものをラガーと呼ぶ。

 発酵期間はエールで3~4日ほど、低温で長時間かけて貯蔵されるラガーで1週間~10日ほどである。現在、世界的にも主流となっているのはラガーであるが、エールの方が、酵母のアルコール耐性が強くコクがあり、濃い味わいのビールになる。

 こうして作られた酵母をエールなら2週間ほど、ラガーなら1ケ月ほどかけてじっくりと熟成。ろ過するか加熱するか、どちらかの方法により酵母の働きを止め、樽や瓶、缶などの容器に詰められてようやく私たちの手元に届けられるのだ。

◆ポピュラーな「ピルスナー」などビールのスタイルも様々

 最近では、特産品を使ったご当地ビールや、小規模な醸造所により職人が手がける「クラフトビール」もよく見かけるようになった。それぞれの個性も多種多様ではあるが、じつは、ビールにも様々な「スタイル」がある。

 世界的にもポピュラーなのは、黄金色に光る「ピルスナー」と呼ばれるビールだ。日本でも居酒屋や缶ビールの定番になっているが、飲みやすく軽い口当たりとのどごし、さらに、ビールそのものの美しさもあいまって、19世紀にチェコの醸造所「ピルスナー・ウルケル」から広まった。

 手軽さも売りのピルスナーに対して、濃い味わいを求める人たちに人気なのが「スタウト」と呼ばれるビールだ。スタウトとは「強い」を意味するドイツ語で、高温で焙煎したモルトや大麦を使い、現在は主に上面発酵で造られた黒ビールを表す。じつは、スタウトにも種類があり、念入りに焙煎したモルトを使ったカカオのような風味の「チョコレートスタウト」、仕込みの段階で乳糖を混ぜて甘く仕上げた「ミルクスタウト」などがある。

 他にも、特別な酵母を使いカロリーを抑えた「ライトビール」や、口当たりが軽くマイルドな風味を楽しめる「クリームエール」など、知れば知るほどに一つひとつ味わいたくなるほど奥が深い。

 さて、スーパーなどのビールコーナーを見ると、今では様々な地域で造られたものを手軽に味わえるようになった。歴史や用語、さらにはおいしい飲み方まで教えてくれる本書を読むと、やっぱりビールが恋しくなる。原稿がいち段落した今、筆者もさっそく缶ビールをプシュッと開けてみようかと思う。

文=カネコシュウヘイ

最終更新:8/24(水) 11:00

ダ・ヴィンチニュース

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