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尾上松也「父が急に亡くなって…」妹と語った“涙の日々”

女性自身 8/25(木) 6:02配信

“梨園のプリンス”尾上松也(31)の妹・春本由香(23)が、9月の東京・新橋演舞場、大阪松竹座での「九月新派女優別公演」夜の部『婦系図』で女優デビューする。兄妹の共演となる初舞台を前に、2人が語り合った――。

尾上松也(以下=松也) いよいよ女優デビューだね。母から電話が来て僕も知りました。市川月乃助さんの二代目喜多村緑郎襲名公演で兄妹共演ができるなんて光栄です。しかも、大役をいただいて。

春本由香(以下=由香)『婦系図』の妙子役は、大先輩の波乃久里子さんが新派デビューをなさったときと同じお役ですので、身が引き締まる思いです。

松也 最初にデビューの話を聞いたときは大丈夫かなって、すごく心配になりました。

由香 これまでは、モデルや歌手をしたり、お兄ちゃんの付人もさせてもらいましたけれど、どれも本腰が入らなかった。

松也 今度も「やっぱり辞めます」なんて言われたり、中途半端にされたら困ると思って、歌舞伎座の楽屋に呼んだんですよ。そしたら、いきなり遅刻しましたね。お芝居のお稽古をする前に、1時間もお説教してしまいました。

由香 あれは本当に私が悪かったんです。ごめんなさい。言われたとおり、今はちゃんと30分前にはお稽古場に着くようにしています。お兄ちゃんも、8月から始まった新橋演舞場での初の座頭公演はどうですか?

松也 『狸御殿』ね。毎日、楽しいよ。テンポが速くてお客さまの反応もすごくよく伝わってきて。何より、東銀座は懐かしいよね。

由香 中学まで住んでたしね。私はいつもお兄ちゃんのあとをくっついて回ってた。お兄ちゃんの友達と一緒にサッカーや野球をして。家に帰ってからも野球のテレビゲームで遊んでたなあ。私が生まれたとき、名付けをしてくれたのもお兄ちゃんでした。いままで聞けなかったけれど、なんで真由香(春本由香の本名)という名前にしたの?

松也 僕はまだ当時8歳だったかな。母によると、当時、僕が兄弟みたいに仲良くしていた幼稚園の同級生の名前が『あゆみちゃん』で、そのお母さんが『まゆみさん』。それがごっちゃになって『まゆか』がいいって言ったんだろうって(笑)。

由香 初めて知った。お兄ちゃんは子どものころからずっと私の憧れだったから、お父さんと舞台に立っていたのを見て、ずっとかっこいいなぁって思っていました。

松也 真由香は父が大好きだったもんな。

由香 私はお兄ちゃんの立役を見てて、お父さんと重なる部分があるの。愛嬌がある感じがすごくお兄ちゃんにも出てるときがあって、やっぱりそれを見て育ったから、私も男役をやってみたいとずっと密かに思ってた。

松也 宝塚に行っとけばよかったのにな。

由香 でも私の中学、高校時代、ウチはそれどころじゃなかったし……。

松也 そうだな。父が死んだとき、真由香はまだ12歳だったもんな。

由香 なぜか私、お父さんはそれまで死なないってずっと思ってた。死なないよ、死なないよと思ってて急に亡くなったんで、ほんとに頭の中が真っ白になって。学校もずっと保健室登校をしてた。  
お兄ちゃんも参っていたのがわかってたから、誰にも相談できなかったのは本当につらかった。

松也 気にしてあげられなくて本当にすまなかったと思ってるよ。僕もまだ20歳だったし、どうしていいかさえ、わからなくなっていて。

由香 翌年におばあちゃんも亡くなり、世田谷に引っ越すことになって……。

松也 世田谷に越してからは本当に大変だったよな。生活が180度変わってしまった。これからは自分が家計を支えていかないといけない――そう思った。

由香 私もじっとしていられなくて、バイトを始めて。

松也 生活していく大変さをいろいろ知っていく一方で、僕も役者として精進しなくては、と心を引き締めようと思っていた。父が『役者としてもっと上に』という思いを抱きつつ亡くなり、母も女優として『これからだ』というときに僕を生んでくれた――と聞いていたから、そんな両親の叶えられなかった夢を、何とか僕が代わりに叶えてあげたかった。

由香 あのころを考えると、お兄ちゃんが新橋演舞場の座頭を勤めるなんて、信じられないことだよね。

松也 ようやく今すこしずつ、いろいろなことを演らせてもらえるようになったかな。

由香 私はまず9月の初舞台を無事終えてから、新派をしっかりやりつつ、お兄ちゃんみたいにミュージカルにも挑戦してみたい。

松也 そういえば、話はかわるけど、真由香は、(松也の高校の1学年先輩の中村)七之助さんに憧れてたよね。ボーリングに一緒に行ったとき、たまたま彼が来て、すごく紳士に見えたんでしょ?しばらくは真由香の携帯の待ち受け画面は七之助さんだったよね。たまに電話を代わると顔が真っ赤になっちゃって……。

由香 でもお兄ちゃん、昔は私の付き合う相手のことも心配してくれてたよね。

松也 そりゃあ昔は気にしてたよ。父がいたらっていう部分でさ。彼氏を連れてくるみたいになったとき、ろくに挨拶もできなかったら、と思ったり。でも、もう今はそんなことないですから。

由香 お兄ちゃんこそ、もう31歳なんだから、結婚相手とか、お兄ちゃんが好きになった人なら、私は誰でもどうぞって感じ。 

松也 結婚なんてまだまだしないよ。今、ようやくやりたいことがやれるようになってきたところなんだから。これから5年間は、集中して芸事に精進するよ。僕らのことより、母には再婚してほしいかな。

由香 それ、随分前から言ってるよね。でも、お母さんにその気はないみたいだから。自由にさせてほしいって言ってたよ。

松也 初舞台のご挨拶まわりも、母と一緒にしたんでしょ。新派女優として一人前になるまでは、しばらくはつきっきりのつもりだろうね。

由香 私より、本当は本人が女優復帰したいみたいよ(笑)。

松也 これまで頑張ってきた母を喜ばせるためにも、お互い頑張りましょう。

由香 これからも、至らぬ妹をよろしくお願いします。

最終更新:8/25(木) 6:02

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