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4戦全敗のライバル復活も歓迎。錦織圭は「打倒トップ2」で全米に挑む

webスポルティーバ 8/25(木) 12:20配信

 シンシナティ・マスターズの大会会場を訪れたとき、彼は葛藤のなかにいた。

「絶対に無理はできない。USオープンに、ピークをどうしても持っていきたい」との思い。同時に、「ここで1000点を獲りにいくべきか」との逡巡もあった。前週のリオデジャネイロ五輪でいいテニスをしていただけに、それを生かしたいという願いもある。だが、2週間後に控える全米オープンに向け、最大の優先事項が「ケガをしないこと」なのは、間違いなかった。

【写真】錦織圭はナダル戦からわずか24時間後、シンシナティの地に立っていた

 その迷いを抱えたままでのシンシナティでの戦いで、錦織圭は3回戦でバーナード・トミック(オーストラリア)に6-7、6-7で敗れる。

「こんなに身体が言うことを聞かないのは久しぶり」

 試合から約1時間後に会見室に現れた彼は、椅子に座ったまま足をストレッチするなど、疲労の色は隠せぬ様子。だが同時に、表情にはある種の安堵感をも漂わせていた。

「疲労だけで、ケガにつながるような痛みはない。そこは安心して、USオープンに臨めると思います」

 3週間前のトロント・マスターズでは決勝に進み、リオ五輪でも銅メダルを獲得。その後、移動日も含め中2日で挑んだシンシナティ・マスターズでは、1勝を含む2試合を戦い切った。「ここでポイントを獲れなかったもったいなさもある」との悔いを覚えながらも、最小限のダメージで8月29日開幕の全米オープンを迎えられることに、胸をなで下ろしているようであった。

 4週間の戦いで得た9つの勝利と、喫した3つの敗北――。

 それら濃密なる結果は、錦織にさらなる高みへ行くための足がかりと、より上に行く過程でぶち当たる障壁の輪郭を、改めて明瞭に浮かび上がらせた。

 かけがえのない収穫は、約2年ぶりに手にした「トップ5からの勝利」である。トロントの準決勝では、当時5位のスタン・ワウリンカ(スイス/現在3位)を7-6、6-1で撃破。第1セットでは逆転で奪う勝負強さ、そして、第2セットでは相手の落胆を見逃さずに突き放す爆発力の双方を見せつけての快勝であった。

 さらにリオ五輪では、銅メダルをかけた3位決定戦で世界5位のラファエル・ナダル(スペイン)を破る。勝利を目前にしながら追いつかれるも、その苦境から立て直して掴んだ勝利。それは本人をして、「気持ちをすごい奮い立たせて、最後はがんばった」と評する、強靭な心身の証明でもあった。

 だが同時に、トロント・マスターズ決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に、オリンピック準決勝ではアンディ・マリー(イギリス)に屈した事実が、錦織の心に悔いと頂点への距離感を植えつけ、マスターズ準優勝や五輪銅メダルの快挙を素直に喜ばせなかった。

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最終更新:8/25(木) 12:20

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