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【連載】霊長類ヒト科サポーター図鑑 最終回 中尾善一(FC町田ゼルビアサポーター)「身近にゼルビアがあるだけで満足」

SOCCER DIGEST Web 8/25(木) 17:50配信

「皆さんの若さを分けてもらっている感じです」

中尾善一(FC町田ゼルビアサポーター)
 
 昭和17年6月16日生まれの74歳。サッカー経験はまったくありません。息子が小さい時にサッカーをやっていたもので、それで審判の講習を受けて少年サッカーで笛を吹いていましたね。その息子も、今は40を過ぎていますが(苦笑)。
 
 町田を応援し始めたのは、実はわりと最近で2010年の4月からなんです。それまでNHKの集金の仕事をやっていて、バイクに乗っていたら交通事故で肩を骨折してしまって。そのままリタイア状態になって、何もすることなくて近所をぷらぷらしていたら、ここ(野津田/町田市立陸上競技場)に辿り着いたんです。
 
 町田ゼルビアの存在は知っていましたが、野津田で試合をやっていることはまったく知らなかった。本当に偶然なんですよ。それまでスタジアムでサッカー観戦したのって、国立(競技場)で天皇杯の決勝を観たくらいですかねえ。特定のチームを応援するという経験もありませんでした。
 
 ゴール裏の応援に参加するようになったのは11年からでしたね。遠巻きに眺めていたら、当時のコールリーダーの方と何となく目が合って、それからすっかりハマってしまって(笑)。去年くらいまでは飛び跳ねて応援していましたかね。今はもう無理ですけど。
 
 それでも、ゴール裏の仲間と出会えて本当に良かった。関東とか、北信越の遠征に車を出す時には、私もよく誘っていただいて。もちろん皆さん、私よりお若い方ばかり。私も皆さんの若さを分けてもらっている感じですよ(笑)。
 

プロ選手は自分にとって神様。

 試合がない日は、非公開でない限り、天気が悪くても練習を見に行きますね。義務感ではなく、もう習慣みたいなもんです。
 
 でも私は詳しくないので、この練習の目的が何なのかとか、次の試合のスタメンが誰なのかとか、よく分からない。ただ、その場に自分がいること、そして選手の皆さんが頑張っている姿を見られることで満足なんです(笑)。この選手が元気だとか、落ち込んでいるとか、その辺は分かるようになりましたね。でも、だからといって監督に「この選手を使ってみては?」と進言するつもりはまったくないですよ(笑)。私にしてみれば、プロの選手は皆さん神様みたいな存在ですからね。
 
 今季のゼルビアはJ2で頑張っていて、一時は首位に立ちましたけれど、私は勝った負けたをあんまり気にしていないんです。もちろん勝ったら嬉しい。でも、自分の身近な場所にゼルビアがあることだけで満足なんです。今は収入もないので、女房からもらう小遣いの範囲で楽しんでいます。こういう趣味を認めてくれる女房には、本当に感謝しています。少なくとも、何の楽しみもなく家に引きこもってテレビを見ているより、はるかに良いですから(笑)。

 女房とサッカー観戦ですか? 誘ったことはあるんですけど、女房はサッカーよりも山登りのほうが好きなんでね。今日もひとりで来ましたけど、ここには友だちがたくさんいるし、大声で応援したらすかっとします(笑)。本当に、いい趣味が見つかったと思っています。
 
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■座右の銘 :  聞く耳を持つ
■歴代で最も尊敬する監督 : 相馬直樹。固い信念でチームを率いJ2昇格!
■歴代で最も愛した選手 : 藤田泰成。人柄とプレースタイルに惹かれました。
■最も記憶に残る試合 : 2012年11月11日J2リーグ第42節  対湘南ベルマーレ戦(@町田)
■理由 : 開始早々の失点に続き追加点も奪われ、0-3で敗戦。結果、湘南はJ1に昇格し、町田はJFL降格という憂き目に遭いました。試合後、失意のさなかにもかかわらず、雨の中で湘南に贈ったお祝いのコール、挨拶に立って涙に暮れた勝又(慶典)選手、誰憚ることなく涙するサポーター仲間の姿、そして歓喜に沸く湘南サイド。印象に残る出来事が多々ありました。より一層ゼルビアを愛し、応援しようと思った忘れられない一戦です。
 
宇都宮徹壱/うつのみや・てついち 1966年、東京都生まれ。97年より国内外で「文化としてのフットボール」をカメラで切り取る活動を展開中。近著に『フットボール百景』(東邦出版)。自称、マスコット評論家。公式メールマガジン『徹マガ』。
 
 

最終更新:8/25(木) 21:19

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