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自虐上等シャープ “郭ゴジラ”に破壊される日!?

週刊文春 8/26(金) 7:01配信

〈映画序盤。大阪湾から突き出た尻尾が、海沿いの弊社本社をさっそく破壊〉

 大ヒットしている映画『シン・ゴジラ』について、こう呟いたのが、経営再建中のシャープ公式ツイッターだ。といっても、実際の映画の内容ではなく、「関西ゴジラにありそうな展開」をつぶやく“ツイッター大喜利”にシャープが“参戦”したもの。

 シャープ公式ツイッターの自虐ネタには定評があり、SMAPの解散が報じられた今年1月には、〈Sで始まりPで終わる弊社としては、けさの解散ニュースのドキドキ感がすごい〉とツイートして話題になった。

 当のシャープは、8月13日付で、鴻海精密工業の郭台銘会長が送り込んだ腹心の戴正呉副総裁が社長に就任した。

 買収当初は、「リストラはしない」と約束していたはずの鴻海だが、戴新社長は、シャープを「金持ちの息子のようだ」と語り、7000人規模のリストラも辞さない構えだ。郭氏も「飼い主を代えても、悪い卵しか産まない鳥はいらない」と公言しており、すでに「出資完了を待たずに鴻海から子飼いの社員が送り込まれ、実績の乏しいシャープの社員を退職に追い込む構え」(メガバンク幹部)という。

 ただ、鴻海とて決して安泰ではない。

「もともと鴻海はアップルの下請けとして急成長した。ただ、その分アップルの影響をもろに受ける。実際、iPhone伸び悩みの影響を受け、三四半期連続の減益で、4-6月期は前年同期比31%減。そこで、シャープを買収し、下請けからの脱却を目指したのです。シャープの業績が悪いからと言って、手を引ける状況ではない」(同前)

 戴社長は「短期的にはキャッシュを稼ぎ、赤字から黒字に転換することが最も重要だ」として液晶事業の立て直しに最注力する意向だ。また、成長する有機ELパネル市場に向けた投資も計画しており、「目標は鴻海とシャープが共闘して、韓国のサムスン電子を追い越すこと」(前出・メガバンク幹部)にある。

 直近の4-6月期の最終損益も274億円の赤字で、液晶を含む5つの全事業が減収を余儀なくされたシャープ。

 SMAPも解散を発表した今、“郭ゴジラ”に破壊されてしまうのか。それとも――。


<週刊文春2016年9月1日号『THIS WEEK 経済』より>

森岡 英樹(ジャーナリスト)

最終更新:8/26(金) 7:06

週刊文春

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