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女性活用が進まない本当の理由は会議にあった --- 尾藤 克之

アゴラ 8/26(金) 15:10配信

いま女性活用を推進する動きが加速している。内閣府では、女性の推進に向けた指針を発表し、各企業の実態について情報公開を始めた。特に活用の場を提供することが重要なテーマになっている。

ところが、もっと手軽な方法で、職場環境を変化させる方法が存在する。「女性活用を考えるのであれば、女性の意見に耳を傾けることが大切です」。そう答えるのは、人財育成を手がける、沖本るり子(以下、沖本)氏である。

■女性管理職が少ない日本社会

日本では、女性は家庭に入って家族を支えて家を守るものという価値観が強い。ところが、欧米諸国でも、女性が家庭に入ることを美徳とする考え方がいまだに残っている。しかし、欧米では、女性の社会進出が認められているイメージが強い。

ところが、これは大きな誤解ともいえる。就業者比率でいえば、欧米も日本も大きな差はない。グローバル企業を例にとっても、2000年頃の女性管理職比率は10%未満の企業も珍しくなかった。欧米で女性管理職が増えてきたのは、ここ10年くらいの話であり日本では女性管理職が増えていないことが問題視されているのである。

「欧米は成果主義が浸透して、正当に評価されると思っている人が多いように感じますが、それも間違っています。日本のような年功序列的考え方はありませんが、それだけで女性管理職が増えるわけではありません。」(沖本)

実際に、欧米の仕組みを研究すると、女性を育成するためのプログラムが充実していることが理解できる。個人の資質に任せるのではなく、人材開発、登用、評価制度などを含めたトータルな人材マネジメントの仕組みを変えていく方法が多岐にわたっている。

また、日本では女性は出世意欲が低いという指摘もある。これについては、優秀であるにもかかわらず結婚や出産を理由に昇進機会を見送る人が多いことからも明らかである。さらに、現場においても女性の昇進昇格に対して否定的な回答をする人が少なくない。

「欧米で女性管理職が多いのには理由があります。女性が管理職を登用するための仕組みが構築されているのです。産前産後休業・育児休業などの福利厚生の充実も大切ですが、意識改革も大きなポイントになると思います。」(沖本)

■社内に意識改革を促す仕組みを

意識改革にはどのようなものがあるのだろうか。その一つが会議である。会議とは単に議論する場ではない。個人の成長を促すのが会議の場であると沖本は述べている。

「会議は本来、ノウハウを知って正しく活用すれば、組織の問題解決や課題クリアに役立つだけでなく、個人の成長をも促すことができる素晴らしい‘ツール’です。ところが、会議を効果的に活用できている企業は、残念ながらとても少数です。」(沖本)

会議には、社内の様々なタイプの人が参加する。また会議の位置づけも異なる。言い方をかえるなら、会議とは社内の縮図と称することもできる。会議を観察することで、組織の志向性や政治的な力学を把握することも可能である。

そして、会議の効果を引き出すポイントは意見の収束方法にあると沖本は述べている。一般的には多数決で、自分に近いと思われる意見に投票することが多いが、多数派の意見を採用することで、少数意見を抑圧する危険性をはらんでいる。同じ会社である以上、できることならば軋轢は残したくないものだ。

「会議をまとめる際、どの案を採択するかを点数制で決めます。参加者の持ち点は1 、3、5、7、9、11、13点。いちばんよいと思うアイデアに13点をつけます。そして次々と各持ち点をつけましょう。優先順位をつけ、点数化して集計することで、公平性が保たれます。」(沖本)

優先順位をつけることで、自分の案が採用されなかったとしても、否定されたわけではないので軋轢を残さない効果があるとのことだ。この機会に、女性が積極的に意見を述べて、参加意識が高い会議運営を目指してみては如何だろうか。

参考書籍
『相手が“期待以上”に動いてくれる! リーダーのコミュニケーションの教科書』(DO BOOKS)(http://amzn.to/2bgfdN0)

尾藤克之
コラムニスト

尾藤 克之

最終更新:8/26(金) 15:10

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