ここから本文です

空き缶を捨てる時、つぶす? つぶさない?

JBpress 8/26(金) 6:15配信

 飲みものの容器の代表的存在である「缶」。リサイクル率は90%を超えている。私たちが空き缶をごみ置き場やごみ箱に出すことが、直接リサイクルにつながるという仕組みがある。

 しかし、疑問もある。アルミの空き缶などは手で軽くつぶせるが、果たしてつぶして出すべきなのかどうか。飲み終えた空き缶をつぶす習慣は、社会に定着していないようにもみえるが・・・。

 空き缶の出し方について探っていくと、一筋縄ではいかない事情があることがわかった。

■ リサイクル率は9割を突破

 自動販売機で缶入りのコーラを買って飲む。コンビニエンスストアでビールを買って飲む。これらの容器はアルミ缶だ。

 アルミ缶の強度はさほど高くないため、内部から圧力をかけられる炭酸系飲料にしか以前は使えなかった。だが、窒素を充填して缶の内部の圧力を外部よりも高くする技術が発達し、非炭酸系飲料にも使えるようになってきた。

 アルミ缶の消費量は高まっている。アルミ缶リサイクル協会調べによると、2005年の国内消費量は184億3000万缶だったが、2015年には222億缶に増えた。日本人1人あたり年に175缶も使っている計算になる。

 一方、缶コーヒーや缶スープなどの容器に使われているのが鉄製のスチール缶だ。こちらのほうがアルミ缶より硬い。スチール缶の方は、消費量については長期的に微減傾向にある。スチール缶リサイクル協会によると、国内での年間生産缶数(飲料)は2005年度で134億3800万缶。2015年度はまだ公表されていないが、最新データの2014年度では95億7700万缶だった。

 飲み終えた後の空き缶はどうなるのか。そのほとんどは再生利用、つまりリサイクルされている。

 アルミ缶リサイクル協会によると、2015年度のアルミ缶のリサイクル率は90.1パーセント。このうち国内でリサイクルされたアルミ缶が、再びアルミ缶として再生される「アルミ缶からアルミ缶へ」という率は74.7パーセントだった。一方、スチール缶のリサイクル率は、リサイクル協会調べによると最新の2014年度で92.0パーセント。こちらも高水準だ。

■ 「つぶして捨てる」は約3割というデータも

 リサイクルの第一歩となるのが、空き缶の回収だ。

 私たちは、町内のごみ置き場に「燃えないごみ」の袋などに入れて出すか、集団回収のため学校などに空き缶を持ち寄るか、あるいはコンビニエンスストアや自動販売機の横にあるごみ箱に入れている。その後は、いずれも回収業者や自治体が空き缶を車で再生工場まで運ぶなどして、リサイクル処理されていく。あまり意識はないかもしれないが、空き缶をごみ置き場やごみ箱に「ごみ」のように出している人は、リサイクルに参加していることになる。

 では、あなたは空き缶をどのように出すだろうか。そのまま出すか、それともつぶしてから出すか。

 調査会社のリサーチパネルが2016年に公表したアンケートによると、自宅で出た空き缶を「そのまま捨てる」という率は61.1パーセント。「つぶして捨てる」という率は33.0パーセントだった。

 街なかのコンビニエンスストアや自動販売機の横に置かれたごみ箱への出し方までは調査されていないが、口径が10センチメートル前後の箱が多いため、つぶすと入らなくなってしまう。なので「つぶさないで捨てる」率はより高くなりそうだ。

 アルミ空き缶をつぶして出せば、かさばらずにごみ箱にも多くの空き缶を入れられるし、回収するときの運搬効率も高まり省エネルギーにつながる。人々のちょっとの手間が、社会にとってプラスになる・・・。

 そんなことを思い描いていた。ところが、話はそんなに単純ではないようだ。空き缶の出し方は自治体によって分かれるのだ。

■ 近くの自治体でも「つぶして」「つぶさないで」「軽く」

 たとえば、東京都の三鷹市は、飲料缶などの収集できる空き缶の出し方について、ホームページで市民に「中身を使い切ってよくすすぎ、できるだけつぶして出してください」と呼びかけている。つぶすことを推奨しているわけだ。

 ところが、三鷹市のすぐ西にある府中市では、缶を出すときの注意事項として、「つぶさずに出してください」と説明している。三鷹市とは逆だ。

 さらにその西にある八王子市では「軽くつぶしてください」と説明している。「できるだけつぶして」でも「つぶさないで」でもなく、中庸的な感じだ。

1/2ページ

最終更新:8/26(金) 6:15

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

Yahoo!ニュースからのお知らせ

なぜ今? 首相主導の働き方改革