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原油相場が「強気」と「弱気」で揺れ動いている理由

JBpress 8/26(金) 6:10配信

 8月23日の米WTI原油先物市場は一時1週間ぶりの安値水準となったが、ロイターが「イランがOPEC非公式協議に前向きな兆候を示した」ことを報じると、大きく切り返した。ニュースのヘッドラインを材料に売り買いするプログラムを基に取引を行うヘッジファンドが大量の買い注文を入れたからだとされている。

 WTI原油価格は8月2日に1バレル=39.51ドルの安値を付けたあと反転し、8月18日には20%以上上昇、48ドル台に達した。弱気相場入りから3週間足らずで強気相場に転じたことになる。

 市場関係者の間では、20%の上げは強気相場、下げは弱気相場の始まりとされている。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば今年は既に5回の強気相場と弱気相場の間を行き来している。5回もの相場転換は、原油価格が10ドル台と低迷した1998年以来の多さである。

 原油相場はなぜ強気と弱気の間で揺れ動いているのだろうか。

 8月初めからの原油価格の上昇は、9月のOPEC非公式協議に対する期待が主要因であることは言うまでもない。ヘッジファンドは価格下落を見込むポジションに大きく膨らんでいたが、OPEC非公式協議で「主要産油国が増産凍結に合意」することが濃厚とのニュースが飛び出したため、一斉にショートカバー(売り持ちポジションの解消)に走ったのである。

 今年前半の増産凍結協議を模索する過程で、イランは「経済制裁前の水準に原油生産が達するまでは増産凍結協議には参加しない」との姿勢を貫いていた。しかしイランの7月の原油生産量が日量約360万バレルと制裁前の水準(同400万バレル)に近づいており、前述のロイター記事が、「前回の協議の最大の障害であったイランが参加する」との市場の期待を後押しした。

■ 原油価格の回復は引き続き脆弱

 今後、原油相場はしばらくの間、ニュースのヘッドラインに主導される形で堅調に推移しそうである。しかし需給面では何ひとつ変わっていない。いや、むしろ悪くなっている可能性が高い。

 市場関係者が注目している増産凍結だが、前回の交渉で凍結が提案された今年1月の生産水準よりも、現在の生産量は日量100万バレル増加している(イランとサウジアラビアの増産が原因)。凍結の水準が日量3300万バレル(OPEC全体の生産量)ではなく同3400万バレルならば、市場の再均衡は少なくとも1年遅れ、2018年以降になるとの見方がある(8月19日付ブルームバーグ)。

 ゴールドマンサックスは8月22日、今後1年間の原油価格の見通しを1バレル=45~50ドルで据え置いたことを明らかにした。8月の原油価格上昇は“投機筋のポジションの急激な変化”などに起因しており、ファンダメンタルズの改善ではないとみているからだ。原油価格の回復は引き続き脆弱との見方を改めて示した格好である。

 また、ゴールドマンサックスのレポートの中で注目されるのは、記録的に高いレベルの原油生産量を維持しているOPECの原油生産“凍結”よりも、イラク、ナイジェリア、リビアにおける供給障害の“雪解け”のほうが原油相場のリバランスに影響を与えるという指摘である。

 イラク政府は今年3月、パイプラインを支配するクルド自治政府との支払いを巡る問題で、北部の3油田の輸出を停止していた。だが、クルド自治政府との交渉がまとまり、8月22日、数日以内に原油輸出を日量約15万バレル(5%)増加すると発表した。翌24日には、イラン石油省は9月のOPEC非公式会合での生産量確保の観点から石油各社に対して増産を要請した(イラク首相は23日、OPECの増産凍結に消極的な姿勢を示した)。

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最終更新:8/26(金) 6:10

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