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バーバリー失った三陽商会、赤字転落&大量人員削減でも新本社ビル建設…銀行は呆れ声

Business Journal 8/27(土) 6:01配信

 バーバリーという基幹ブランドを失い経営難にあえぐ三陽商会だが、意外にも本社隣接地に別館ビルの建設を進めている。この点について取引銀行の幹部は、「経営不振企業が本社を売却し賃貸に切り替えるという話は聞くが、新社屋を建設するというのは理解できない。大企業病に陥っているのではないか」と呆れる。

 三陽商会は昨年6月に英バーバリーとの契約が終了し、後継ブランドとして「マッキントッシュ」など3ブランドの販売に注力したが、いずれも不振で、2016年12月期の業績見通しを95億円の赤字に下方修正したばかり(期初予想は3億円の黒字)。
 
 にもかかわらず、25億円を投じて東京新宿区本塩町に地上10階建ての本社新別館ビル「本社アネックスビル(仮称)」を18年2月竣工予定で建設する。危機意識なき三陽商会に、金融機関から危ぶむ声が上がっている。

 本社新別館ビルは、現在賃借中の九段ファーストプレイスビルから移転・入居するもので、「建設にあたり、耐震性や省エネを考慮しつつ、社員に豊かな発想と闊達なコミュニケーションを可能とする働きやすい仕事環境を提供する」(三陽商会)としている。現在の高額な賃貸料が浮くことで、中長期的にみれば得ということなのだろうか。

●赤字転落でリストラ

 危機意識からなのか、三陽商会は来年2月末までに「プリングル1815」「ビアンカ・エポカ」など計8ブランドを休廃止すると発表した。同時に全体の1割強に当たる190の売り場を閉める。また、全社員の2割弱の希望退職を10月に募ることを決めた。

 7月29日に16年12月期の連結業績予想を下方修正し、配当を年8円の予定から年4円に引き下げたことに伴うリストラ策。同期の売上高は当初770億円、最終損益は3億円の黒字を見込んでいたが、売上高を前期比28%減の700億円、最終損益を95億円の赤字にそれぞれ下方修正した。

 過去最大の赤字に転落する三陽商会。最大の原因は昨年6月にバーバリーとの契約が終了し、その後継ブランドとして投入した「マッキントッシュ ロンドン」「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」の販売が計画を大きく下回ったことにある。

「三陽商会はバーバリー社とのライセンス契約打ち切りに懲りて、日本企業である海外衣料の輸入大手、八木通商(本社・大阪市)が経営権を持っているマッキントッシュとライセンス契約を結んだが、現在のバーバリーについている顧客がマッキントッシュに乗り換えるとは思えない。甘いのではないか」(前出・取引銀行幹部)

 こうした冷めた見方が支配的ななか、バーバリーを失った三陽商会の迷走は続きそうだ。
(文=森岡英樹/ジャーナリスト)

文=森岡英樹/ジャーナリスト

最終更新:8/27(土) 6:01

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