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ル・コルビュジエの集合住宅に描かれた「だまし絵グラフィティ」

WIRED.jp 8/27(土) 8:10配信

スイスで生まれフランスで活躍したル・コルビュジエ。この「近代建築のパイオニア」は、密集した都市に人間的要素を持ち込んだことで有名だ。国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は2016年7月、ル・コルビュジエの作品17件を世界遺産に追加登録している。
だから、彼が手がけたフランス・マルセイユにある集合住宅「シテ・ラデュース」に先日、赤と黄色のペンキによるランダムなペインティングが施されたと知ったら驚く人もいるかもしれない。
ほとんどどの角度から見ても、形にはなんの意味もない。だが、ある特定の場所に立つと、断片的な模様が明確かつ連続性のある形になって、建物の上に重ね合わさったように見える。まるで誰かが建物を写真に撮り、現像して、円や三角形をその写真の上に印刷したように見えるのだ。

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これは、「アナモルフォーシス」と呼ばれる透視投影法を専門にしているアーティスト、フェリス・ヴァリニの作品だ。こうした視覚トリックは写真や絵画では昔から使われていたが、彼は約40年前から、普通とは違う巨大なカンヴァスを使ってデザインをしてきた。鉄道の駅や街の広場全体、グラン・パレ(パリにある大規模な展覧会場)などを、目の錯覚を使った大規模な芸術作品に変えてきたのだ。シテ・ラデュースでの錯視プロジェクト「Ciel Ouvert」は、スイスで生まれ、パリを中心に活動するヴァリニの最新作である。

デザイナー、イト・モラビトが率いるデザイン・オフィス「Ora-Ito(オラ・イト)」は、2010年にシテ・ラデュースの屋上を買い取ったとき、何年もの間そこにあったジムやトラック、サンルームをすべてなくしてしまおうと決めた。代わりにそこに、「Marseille Modulor」(マルセイユ・モデュロール:MAMO)という屋外芸術センターをつくった。

このスペースは、ル・コルビュジエが残し、実現されなかった設計図に沿ってデザインされている。ヴァリニの作品は、すっかり新しくなったシテ・ラデュースの屋上を体験するにあたって魅力的な効果を発揮している。

ヴァリニがシテ・ラデュースを訪れたのは、Ciel Ouvertプロジェクトに取りかかるときが初めてだった。ル・コルビュジエが建てたビルは畏敬の念を起こさせるものだったが、作品づくりを始めると、「これがル・コルビュジエがつくったものだということは忘れて、ただ絵を描いていました」とヴァリニは言う。

ヴァリニは、デザインを決めてから、投光器を使って周囲の建物の表面にパターンを映し出し、その場所にペンキで形を描いていく。ヴァリニの作品は完成までに2年もかかることがあるが、Ciel Ouvertプロジェクトはそれに比べると急ぎ仕事で、2カ月で仕上げられた。

ヴァリニは通常、壁に永久に残る作品として、建物のファサード(正面)に直に描く。だが、このプロジェクトでは、色を塗ったアルミの大きな板を使い、巨大な金属製ステッカーのようにそれを建物に取り付けることにした。アルミ板は今年10月に外されることになっている。

「ほとんどの人はわたしが何をしているかわからないかもしれません。でもここを訪れた人々は、きっと新しい体験をすることになるでしょう」とヴァリニは言う。

MARGARET RHODES

最終更新:8/27(土) 8:10

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