ここから本文です

古代メキシコ人は「ウサギ」を大量に食べていた:研究結果

WIRED.jp 8/27(土) 12:10配信

紀元前1世紀、ちょうどユリウス・カエサルが共和制ローマを崩壊に導いていたころ、現在のメキシコにあたる地域は大都市テオティワカンを中心にした文明によって支配されていた。テオティワカンは、当時の世界では6番目に大きい都市で、巨大なピラミッドや無秩序に広がる都市構造で知られている。

【詳しく知る】英国で発見された「古代ローマ時代のメモ帳」に書かれていたこと

テオティワカンの人口は全盛期、10万人を超えていた。人々は狭い地域に密集して暮らしていたため、こうしたニーズに対応する多層構造のアパートが発明された。

高度な文明が繁栄したメソアメリカでは、オウムやシチメンチョウ、カメ、ハチ、イヌなど、さまざまな動物が飼育されていたことがすでにわかっているが、ある地域では、庶民の腹を満たすため、ウサギが大量に飼育されていたことも判明している。

人類学者のグループがこのほど「PLoS One」に発表した研究論文は、オズトヤフアルコと呼ばれる地区に存在したウサギの飼育場兼精肉店と思われる施設について詳述している。

西暦4~6世紀ごろ、オズトヤフアルコ地区には1軒の特徴的なアパートがあった。複数の部屋から、ワタオウサギとノウサギの死骸が大量に発掘され、リン酸塩値が高い土も一緒に見つかったのだ。リン酸塩値が高いということは、地面に血や排せつ物が染み込んでいることを示唆する。低い石の壁に囲まれた部屋もあり、これは「家畜の檻だった可能性が高い」と論文には書かれている。刃物とたくさんのウサギの四肢が発見された部屋もいくつかあった。

ウサギの骨の炭素同位体を分析してみると、ウサギたちはトウモロコシやリュウゼツラン、ウチワサボテン、アマランサスなど、人間が栽培した植物を主食にしていたこともわかった。

ウサギの骨の年代を調べた結果、特にテオティワカンの歴史の後期(西暦4~6世紀ごろ)に、ウサギが広く食べられていたことがわかった。これは、シカなどの大型動物が減少したためと推測されている。

オズトヤフアルコ地区のウサギ産業は、間違いなく大規模なものだった。さらに、ウサギの飼育場兼精肉店と思われるアパートでは、彫刻などの、ウサギにまつわる小物まで販売されていた可能性がある。過去の発掘調査では、風変わりなウサギの彫刻(関連記事)も発掘されているのだ。人々がウサギをペットとして飼っていた可能性も十分あるという。

ANNALEE NEWITZ

最終更新:8/27(土) 12:10

WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.26』

コンデナスト・ジャパン

2016年12月10日発売

630円(税込み)

特集:新しい映像。新しい物語。ヴィジュアル・ストーリーテリングの新時代を伝える「WIRED TV」特集。映像はいま何を語り、どんな体験をもたらしうるのか。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。