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首相3選でも日銀総裁を道ずれにするな --- 中村 仁

アゴラ 8/27(土) 7:11配信

すさまじい黒田総裁に対する批判

自民党総裁の任期が3期9年まで延長される可能性が高まっています。安倍1強政権だし、自民党幹事長に就任した二階氏は首相の意向を熟知したうえで幹事長を引き受けています。オバマ米大統領は2期8年(3選禁止)だし、メルケル独首相も2005年からもう10年以上もトップの座を保っています。

世界情勢が激動期に入り、首脳間の個人的関係が重みをなす時代に入りましたから、適格者であるならば、日本でも首相の任期を延長しても賛成者のほうが多いのではないでしょうか。第二次安倍政権までは、首相が毎年、交代し、日本は政治的無能力者でした。もっとも安倍首相が適格者であるかどうかは別問題です。このブログでは今、それに触れません。

黒田氏の再任は正しい選択か

総裁の任期延長がなければ、安倍氏は2018年9月で首相を退任します。同じ年の4月には、黒田日銀総裁は任期切れを迎えます。すでに2年を切っています。日銀総裁の任期は5年です。日銀法25条には、正副総裁らの任期延長の規定が設けられています。自民1強政権ですから、黒田総裁の任期を延長しようとすれば、できます。それが正しい選択かどうか。結論を申せば、黒田派とは異質の日銀再建派の登場が必要となります。

黒田総裁は安倍首相に請われて総裁となり、当初、一心同体で異次元緩和の金融政策、デフレ脱却の推進、「2年間(15年4月まで)で2%の消費者物価引き上げ」という冒険に突入しました。すでに予告の目標時期は過ぎ、なんども延長修正を繰り替えしています。2%程度の実質成長率目標も挫折しています。

多少動きがあったのは、異次元緩和が生み出した株高、円安でしょう。資産家は株高で潤い、輸出比率の高い大企業は円安効果で利益が膨らみ、税収は増えました。その後、株は1万6千円台に下落、為替は円高に転じ100円前後となり、アベノミクス効果を強調するひとは、安倍政権の周辺か取り巻きの学者、メディアにしかいなくなりました。

「金融緩和は経済の構造転換や人口減少問題には効果がない」、「経済は長期的な停滞期に入っている。金融・財政政策は一過性の危機でないと、効き目は弱い」、「国内経済は海外要因の影響を大きく受けるのに、国内中心の金融政策の効果を過信した」など、黒田総裁には過酷なまでの批判が投げつけられています。

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最終更新:8/27(土) 7:11

アゴラ

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