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さらばグアルディオラの呪縛。新生バイエルンが6発大勝スタート

webスポルティーバ 8/28(日) 7:30配信

 ブンデスリーガ2016~17シーズンが幕を開けた。その開幕戦、予想通りというか、予想以上というか、バイエルンが6-0でブレーメンを下している。文句のつけようのない圧勝劇だった。

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 バイエルンのメンバーを見てみると、先発に新加入選手はマッツ・フンメルスのみ。他は昨季までの戦い慣れた顔ぶれが並んだ。ベンチには今やドイツ代表でもスタメンに定着したジョシュア・キミッヒをはじめ、ユリアン・グリーン、エルダル・オズトゥルク、そしてレナト・サンチェス(この日、出番はなかった)といった期待の若手が控えている。

 それでも、ジェローム・ボアテング、アリエン・ロッベン、ドゥグラス・コスタ、キングスレイ・コマンといった各国代表クラスの主力に故障者が出ている。他のチームであれば大打撃を受けているはずで、やはりバイエルンの層の厚さには太刀打ちできないものがある。

 とはいえ、今季のバイエルンの最大の注目点は選手の構成ではなく指揮官。ジョゼップ・グアルディオラが退き、カルロ・アンチェロッティが就任したことで、チームがどのような変化を遂げるのか、だ。

 新監督アンチェロッティは、3季前のグアルディオラ就任時と違い、独自カラーを打ち出す一助となるような選手を連れてくることはなかった。従来の選手を活用することで、この日の結果を出してみせた。

 両監督のスタイルはっきりと違う。「理想は100パーセントのポゼッション」と言ってはばからず、驚きをもたらしたペップのサッカーから、個人のスピードとパワーを重視したシンプルなサッカーへ。変化をひと言でいえばそうなる。

 そしてこの転換は、バイエルンの選手たちにとって難しいものではなかったようだ。複雑なポジションチェンジと細かいパスワークで圧倒するスタイルから、手数を少なく縦への意図がはっきりしたサッカーへと、変化は見た目にも明らかだった。

 先制点は9分。バイエルンが攻め込んだ状態で、クロスをブレーメンのディフェンダーがクリア。そのボールをシャビ・アロンソがダイレクトのミドルシュートで決めた。ブレーメンは自陣ゴール前に人数をかけていたにもかかわらず、防ぐことができなかった。

 その4分後には、中盤でボールを持ったアルトゥーロ・ビダルから、左サイドに高速のスルーパスが通された。ディフェンスラインを抜け出したロベルト・レバンドフスキがこのボールに追いつき、GKの位置を見極めながら頭上を抜き、ゴール右上にシュートを突き刺した。

 相手の隙をついたロングボールもレバンドフスキの個人技も、昨季はあまり見られなかったものだ。ある意味で新生バイエルンの象徴的な得点により、あっという間に2-0となった。この時点で勝敗はほぼ決まってしまった。試合開始からわずかに13分のことだった。

「大きな変化は加えず、ダイレクトなプレーを少し求めた」と、アンチェロッティは語っている。明らかに中盤からチャンスと見るやDFの裏をつくロングボールが増え、ゴール前で手数をかけることもなくなった。それでもこの日のボール支配率は71パーセントと圧倒。パス成功率は89パーセントに達した。ツヴァイカンプフ(ハリルホジッチが「デュエル」と呼ぶ1対1の競り合い)でも57パーセントを制しており、あらゆる意味で付け入る隙を与えなかった。

 今季もブンデスリーガでの独走を予感させる開幕戦だったことは確かだ。だが、まだこの一戦だけでは、アンチェロッティのサッカーが有効なのか、それともバイエルンが昨季より成熟したということなのか、はたまたブレーメンが極端に弱かったのか、判断がつかないというのが正直なところ。

 そして今季のバイエルンにとって重要なのは、ブンデスリーガもさることながら、ペップ時代にたどり着けなかったチャンピオンズリーグのタイトルだ。新監督は4シーズンぶりの悲願を叶えてくれるだろうか。

了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

最終更新:8/28(日) 7:30

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