ここから本文です

【名古屋】あの闘将が乗り移った!? 田口泰士が見せたキャプテンとしての意地

SOCCER DIGEST Web 8/28(日) 17:00配信

絶体絶命の危機を救い雄叫びを上げたシーンはまさに―。

[J1第2ステージ10節]名古屋1-1FC東京/8月27日/豊田ス
 
 ジュロヴスキー体制での初陣となったFC東京戦で輝いたのが、キャプテンマークを巻いた名古屋の背番号7だった。
 

【名古屋1-1FC東京PHOTO】新体制の名古屋はドロー発進。FC東京はリオ五輪メンバーの中島が同点弾


 前々節の浦和戦で左膝の負傷から約2か月ぶりに先発復帰した田口は、前節の柏戦を挟み、FC東京戦で印象深いパフォーマンスを披露した。

 試合前には一人ひとりのもとに歩み寄り、ハグやハイタッチで気合いを注入したキャプテンは、プレーでも周囲をコントロールした。
 
 4-3-3でスタートしたこの日の名古屋で、左インサイドハーフに入った田口は、パスミスもあったが、左SBの安田、左ウイングの永井らを活かし、チャンスを演出していく。そして前半終了間際には安田からパスを受けると右足を強振。鋭い一撃はFC東京のGK秋元を襲い、野田の先制点へとつながった。
 
 後半はFC東京に盛り返されるも周囲を鼓舞し、足が止まりそうになる仲間を支え続けた。しかし、84分にはFC東京にカウンターを仕掛けられ、左サイドを相手FWのムリキに突破されると、ボールはゴール前でフリーになっていたユ・インスのもとへ。

 決められた――スタジアムにため息が漏れそうになった瞬間だった。シュート体制に入った相手の背後からスライディングでブロックしたのが、直前まで相手陣内にいたはずの田口だった。
 
 シュートがバーの上に外れると、ピッチに拳を叩きつけながら雄叫びを上げる。その姿はまさに再加入が決まった“闘将”闘莉王が乗り移ったかのような頼もしさだった。

闘莉王との化学反応には期待したい。

 試合後、前半に空中戦で相手の頭が入り、眉間が赤く腫れた痛々しい姿で現れた田口は、決死のスライディングの場面を反省として口にした。
 
「結果的に僕が戻って止めたという形になりましたが、もうひとつ、ふたつ前くらいで相手に気付いてもっと早く戻っていたほうが良かったと考えたいです。結果的に止められましたが、失点してもおかしくないシーンでした。僕の危機管理がもっと良ければ、ああいう1対1になってはなかったと思います」

 熱く、しかし冷静に状況を判断する。そのプレーぶりはまさにチームのリーダーに相応しく感じる。今季、キャプテンに就任したが、予想外の苦戦を強いられた。チームが最も苦しい時に自身は左膝の負傷で離脱。だからこそ、復帰した今、「絶対に名古屋をJ2に落とさない」「自分が何とかしたい」――そんな熱い想いが身体を衝き動かしているのだろう。
 
 しかし試合は結局、FC東京に追い付かれ、勝点2を失った。残留圏内との勝点差は7のままだ。その苦境に「(勝点の近い)周りの(チームの)ことは気になりますが、僕たちは全部勝つつもりで、自分たちのことに集中しないと、勝点を拾っていけないと思います。今は下を向いてもしょうがない。気持ちを切り替えていくしかないです」と語る。
 
 このFC東京戦の翌日から闘莉王がトレーニングに合流する。闘将は周囲に大きな激を飛ばすはずだ。それはチームの士気を高めるとともに、どんな効果を生むか分からない劇薬となる可能性もある。その際にキャプテンの田口はどう行動するのか。
 
 新リーダーの田口と闘莉王の良い意味での化学反応には期待したい。そしてここからの猛チャージで、最後には笑顔でシーズンを終えられることを願いたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:8/28(日) 17:00

SOCCER DIGEST Web