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小泉元首相が札幌視察「雪エネルギー利用が全国に広がれば原発いらない」

HARBOR BUSINESS Online 8/28(日) 9:10配信

 8月24日、小泉純一郎元首相が札幌市内の「雪冷房施設」を視察。その可能性に注目した。

「雪冷房施設」とは、冬に積もる雪を貯蔵して、春から夏に冷房として利用するというシステムだ。現在、北海道や新潟県で普及が進み、西は鳥取県や広島県までも雪エネルギーの利用が広がっている。

◆除雪に年200億円なら、それを「雪冷房」に遣えないのか

 小泉氏は札幌市内で雪冷房施設を導入している「(株)アミノアップ化学」「五島冷熱(株)」「札幌市円山動物園」と、冷房用の雪を堆積している「ソリトンコム(株)」の現場を視察。小泉政権で国対委員長や政調会長を務めた中川秀直氏もこれに同行した。

 札幌市では毎年大雪に悩まされていて、流雪溝(道路下の水路に河川水や下水道処理水などを流して、雪を河川に運ぶ)などにかかる除雪費用は年間約200億円だという。

 それを聞いた小泉氏は「それならその分、こうした雪の利用に切りかえたらいいんじゃないか。札幌市は何をしているんだ」と、同行した札幌市関係者に詰め寄った。

「もっと小規模な雪冷房施設をたくさん造って、札幌市内に普及させることはできないのか」(中川氏)

「どこかに雪を集めておいて、小さくカットして夏に配ることはできないか。それで収益を出すことはできないのか」(小泉氏)

 日本国土の51%、総人口の15%にあたる地域は「豪雪地帯」。こうした地域では、雪は“やっかいもの”で、除雪や融雪に多くのエネルギーや人件費をかけている。その弱点を逆手にとったのが「雪エネルギー利用」だ。

◆こんな貴重な資源を、カネをかけて捨てていていいのか

 講演会を主催したNPO法人「雪氷環境プロジェクト」の小嶋英生氏によると、人口約200万人、“世界で最も雪の降る大都市”である札幌市の消費電力は年間95億kWh。そのうち、雪エネルギーを有効活用できれば32億kWhがまかなえる計算だという。

 雪エネルギー研究の第一人者である室蘭工業大学の媚山政良氏は「雪1kgあたり80kclの熱量があり、雪1トンあたり原油換算で約10リットルに相当する」と試算している。しかも、このエネルギーは二酸化炭素をまったく排出しないクリーンなエネルギーだ。

 その後、札幌市内のホテルで行われた後援会の冒頭で小泉氏はこう語った。

「今まで“やっかいもの”だった雪をエネルギー源にできる。こんな貴重な資源を、金をかけて捨てていていいのか」

 講演を終えて帰りのバスに向かう小泉氏に、記者は今日の視察の感想を尋ねた。

「北国を中心に、日本全国でこの雪エネルギー利用が進むといいね。そうしたら、北海道の泊原発をはじめとして、原発再稼動なんて必要がなくなる」

取材・文・撮影/北村土龍 横田 一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力))

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:8/28(日) 9:10

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