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巨人『リメークドラマ』が風前の灯。即戦力として獲得した外国人選手、ドラフト組の働きが誤算

ベースボールチャンネル 8/29(月) 11:00配信

年間通じて一軍で働いたのはマシソンのみ

 セリーグ2位・巨人の「リメークドラマ」が未完のまま、エンディングに近づきつつある。数字上ではまだ逆転Vの可能性が残っているものの現実的に見れば、絶望と評していいだろう。

 首位・広島に点灯したリーグ優勝のマジックナンバーは29日現在で「13」にまで減った。巨人は首位と今季最大タイの11ゲーム差を付けられており、残り25試合しかない現況でこの大差はいかんともし難い。

 なぜ、カープにこれほどまでの独走を許してしまったのか。大きな要因の1つとして、戦力補強として獲得した外国人選手が期待通りの活躍を収められなかった点があげられる。

 巨人に所属する外国人選手は12人。現段階でその12人のうち一軍でプレーしているのはマイルズ・マイコラス投手、スコット・マシソン投手、ギャレット・ジョーンズ外野手、ルイス・クルーズ内野手の4人だ。12人の中には育成目的で獲得した選手もいるが、10人以上も外国人選手が在籍する大所帯の割にハイレベルの人員とは言い難い。

 しかも、その一軍メンバーの外国人選手勢に関しても開幕からここまで大車輪の活躍を遂げた選手はマシソンぐらいしかいない。マイコラスは右肩痛で調整が出遅れたことで開幕に間に合わず、ようやく一軍に合流したのは6月末のことだった。今季加入したギャレットは今でこそ22本塁打をマークしてだいぶ持ち直してきたとはいえ、シーズン序盤に大スランプに悩まされて二軍落ちを経験するなど好不調の波が激しいのが難点。もう一人の新外国人選手のクルーズも4月末の試合で自打球を当てて左足首を負傷し、その影響もあって最近は攻守両面で精彩を欠いて苦しんでいる。

即戦力で期待された選手は一様に結果出ず

 この12人以外にもキューバ人外野手のホセ・ガルシアが所属していたが今月18日に契約を解除されている。

 球団側はキューバ国内リーグ打点王にも輝いたガルシアを開幕後の4月に獲得。将来的な成長が大きく見込まれる逸材として一軍でも起用しながら育成していく方針だったが、結局わずか4カ月で契約解除という結論に至った。6月に一軍デビューを果たしたものの、7打数無安打に終わり、その後二軍で再調整となっていた。

 その後ガルシアは23日、母国キューバへ帰国する経由地のフランスで消息を絶ったと米メディアが報じた。報道によれば、メジャーリーグ入りを目指した亡命である可能性が高いと指摘されている。
 実際にメジャーリーグの代理人たちの間でも、この騒動は瞬く間に広まった。中には「ガルシアがジャイアンツで活躍できなかったのは、早く球団から解雇されて亡命したいがために二軍、三軍の試合で意図的に手を抜いていたり、怠慢プレーを繰り返していたりしていただけだったのかもしれない」と疑念を抱く者もいるが、もはや真相は本人しかわからない。

 期待外れに終わった外国人選手は退団したガルシアだけではない。ファームに目を向ければ、今年6月まで四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに所属していたべネズエラ人の左腕ガブリエル・ガルシアだ。当時徳島で好成績を残しており、即戦力としてシーズン途中に緊急補強を行ったが、一軍登板に至っていない。

 7月7日の阪神戦(東京ドーム)を観戦した後、メディアに対して読売新聞グループ本社代表取締役主筆・渡辺恒雄氏が「由伸(高橋監督)の責任じゃないからな。フロントだよ。補強してないんだから。こんな補強せずに、今の陣容で勝てったって無理だよ」と辛らつなコメントを口にしたことを思い出す。

 ちなみに今季はルーキーも散々な状況となってしまった。右ひじの張りから三軍で調整中の昨秋ドラフト1位・桜井俊貴投手も25日、東大戦(東大球場)に先発したものの、6回11安打7失点に終わっている。同じく昨秋2位の重信慎之介外野手も一軍では結果が残せず、長きに渡って二軍調整を強いられた。ようやく28日のDeNA戦(横浜)で一軍再昇格を果たし、6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)以来となる「2番・中堅」でスタメンに名を連ねたが、遅きに失した感は否めない。

 残り試合の結果いかんだが、来季に向けた新外国人選手の獲得にドラフト戦略と、編成の見直しが求められるのは必須と言えるだろう。




臼北信行

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:8/29(月) 13:37

ベースボールチャンネル

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