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女性の昇格阻む「ガラスの天井」をドラマは描けているのか

Wedge 8/29(月) 12:30配信

 女性であるがゆえに、素質がありかつ業績があがっても昇格ができない。いわゆる「ガラスの天井」である。大企業でも活躍の場を見出せるようになった女性たちは、いまもこの天井を突き破ろうとして果たせぬ悩みを抱えている。

 ドラマは世相を映す鏡である。たとえそれが現代を描くものではなく過去にさかのぼろうとも。

 そうした眼で眺め見れば、今夏のシリーズはなんと女性が主役のドラマが多かった。

 NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」は佳境に入っている。広告代理店の女性部長で産休明けの女性を主人公にした「営業部長 吉良奈津子」(フジ)、フジ系列で放送さている「ノンママ白書」(東海テレビ)も広告代理店の部長でこちらは離婚経験者の設定である。

 ドラマは観客に生きる勇気を与える、一瞬のカタルシス(精神の解放と浄化)である。演劇も映画も、そしてドラマも変わらない。

 「とと姉ちゃん」のストーリーから「ガラスの天井」はまったく感じない。主人公の小橋常子(高畑充希)はいうまでもなく、「暮らしの手帖」を創刊した大橋鎭子がモデルである。ドラマの「あなたの暮し」編集長の花山伊佐次(唐沢寿明)は、戦後を代表する編集者である花森安治である。

 第20週(8月15日~20日)「常子、商品試験を始める」は、「暮しの手帖」の目玉企画となって同誌の代名詞ともなる、商品試験にとりかかるドラマの大きなヤマ場である。

 一般家庭の台所を写真とともに紹介しながら生活を考える企画で、たまたま15年前に別れた星野(坂口健太郎)の家を訪れる。娘の青葉(白鳥玉季)がさしていた真っ赤な傘の色が、雨でしたたって彼女のワンピースを汚してしまう。

 戦後の暮らしのなかで、人々は節約をしながら買い物をした商品が粗悪で困っているのではないか、と常子は思う。そうした商品の試験結果を雑誌で紹介してはどうか、という企画を思いつくのであった。

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最終更新:8/29(月) 12:30

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