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「人生の最期に何を望むか?」ホスピスで働く医師が語る/Tease out(見つけ出す) - ロッシェル・カップ TEDで学ぶLive English

ニューズウィーク日本版 8/29(月) 17:07配信

【今週のTED Talk動画】What really matters at the end of life http://www.ted.com/talks/bj_miller_what_really_matters_at_...

登壇者:BJ ミラー

 BJ ミラー氏は大学の時に事故で半死半生の目に遭った経験から、緩和医療を専門とする医師となり、今はホスピスで働いている。このTEDトークでミラー氏は、終末期にある患者のケアで足りないところを挙げ、それをどうやって変えられるかについて考えを述べている。

 ミラー氏は医療機関がもっと人道的になることを求めており、そのため、このTEDトークでは終末期の患者にとってどんなことが重要なのかを詳しく説明している。末期患者の人生の最期についての彼の話は、「生きること」の本当の意味について深く考えさせられるものとなっている。

【参考記事】抗生物質がまったく効かない暗黒の未来が迫っている/Identify with(~と親近感を持つ)

キーフレーズ解説

Tease out
見つけ出す
(動画3:34より)

 髪の毛に何かが引っかかっている時、それを取り除く過程をtease outと言います。日本語で「~を徐々にほぐす」や「~を少しずつはがす」といった意味合いがあります。この表現には、たくさんの関係のない情報やものの中を探って、価値のあるものを見つけ出そうとするという比喩的な意味もあります。このTEDトークでミラー氏は、tease out suffering which is necessary as it is, from suffering we can change(避けられない苦しみと、変えられる苦しみとを分ける)ことの必要性について語っています。

 ここでいくつか使用例を紹介します:

●The proofreader is skilled at teasing out the errors in texts.
(校正者は原稿の中の誤りを見つけ出すことに長けています)

●It's not easy to tease out something useful from a large amount of unorganized data.
(整理されていない膨大なデータの中から何か役立つものを見つけ出すことは簡単なことではない)

●The media is working overtime to somehow tease out something "positive" from the disastrous economic figures.
(ひどい経済統計から、なんとかして何か「肯定的」なものを見つけ出そうと、マスコミは過剰に働いている)



登場するボキャブラリー

【palliative medicine】緩和医療。palliative medicineがミラー氏の専門で、このTEDトークの中で彼はその定義についても説明しています。

【unwitting】知らずに、意図的ではない。ミラー氏の説明では、医療職務についている人は皆、役に立とうという良い意図を持っているのに、患者のために最善を尽くしていない、unwittingな一員になっているようです。

【design thinking】デザイン思考。ミラー氏はdesign thinkingを終末期の介護に応用すべきだと主張しています。

【repugnance】反感。ミラー氏が働いているホスピスでは、亡くなった患者の遺体が施設から運ばれる際に小さな儀式を行うことで、悲しみをrepugnanceではなく温かさで迎え入れられるよう、手助けを行っているそうです。

【repulsed by】~に強い嫌悪感を抱く。ミラー氏が出会った人の中で、すぐにでも死にたいと思っていた人は、人生が不快で最悪なものになったことに対してrepulsed byになっていたために死を望んでいたそうです。

【crescendo】最高潮。死ぬことが最後のcrescendoになるよう、スペース(空間)を作ることがミラー氏の望みです。

【ferociously】通常は「ひどく」や「恐ろしく」のような意味で訳されますが、ここでは「感情を込めて」や「全力で」のようなニュアンスで使われています。ミラー氏は、残った人生に意味や美しさを見出し、それをferociouslyで愛すべきだと言っています。

ロッシェル・カップ

最終更新:8/29(月) 17:07

ニューズウィーク日本版

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TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。