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山岡以外にもプロ注目の社会人好投手揃い、高校出3年目のドラフト候補

ベースボールチャンネル 8/30(火) 6:50配信

評価急上昇、JR東日本の板東湧梧

 8月26日に日本選手権東北最終予選の代表決定戦が行われ、JR東日本東北が4-2で日本製紙石巻を下して2年ぶり17回目の代表権を手にした。これを皮切りに、9月にかけては各地で日本選手権最終予選が開催されるが、この戦いはプロ球団のスカウト陣が候補選手のパフォーマンスを最後に見極める場でもある。

 そこで注目されているのが、高校出3年目の投手たちだ。そう、3年前の夏の甲子園に瀬戸内高のエースとして出場し、18Uワールドカップ日本代表にも選出されてドラフト候補と目されながら、東京ガスへ入社した山岡泰輔ら1995年生まれの学年である。

 山岡については詳述するまでもないだろう。今夏の都市対抗では東京ガスの35年ぶりベスト4進出の原動力になり、日本代表でもエースとして『World Baseball Challenge 2016』に出場するなど、順調というよりもグレードアップして上位候補と評される。

 その対抗馬となるのが、都市対抗東京二次予選準決勝で、その山岡と投手戦を繰り広げたJR東日本の板東湧梧だ。ストレートのキレが増し、フワッと浮き上がるようなスローカーブとのコンビネーションは抜群。

「山岡や田中正義(創価大)を1位で入札しようと考えている球団が、外れ1位として検討し始めています」

 そう明かすスカウトがいるほど、東京ドームでの登板は見られなかったものの、水面下で評価をグングン高めている。

高校出3年目の投手の魅力

 さらに、この二人を追いかける逸材も着実に力をつけている。

 東芝の谷岡竜平は、山岡が「同期の中では意識する存在」と言うように、名門チームで1年目から実績を残してきた。ストレートは最速150キロをマークし、鋭く滑るスライダーや落差のあるフォークボールなど、高品質の変化球も織り交ぜながら試合を作る。全国の舞台で目立つ実績は残していないが、独特の緊張感を伴う都市対抗予選で代表権獲得に貢献した投球は高く評価されており、伸びシロの大きさにも魅力がある。

 土肥星也は、豊かな素質を備えた若手がひしめく大阪ガスの投手陣で頭角を現したサウスポー。クセのないフォームから投げ込むストレートはスピンが効いており、相手打者が差し込まれて首を傾げているシーンを見る度、初速と終速の差が小さいのだとわかる。3月の東京スポニチ大会で好投すると、都市対抗近畿二次予選でも2試合に先発。山岡とともに『World Baseball Challenge 2016』の日本代表に選ばれて先発も任されるなど、右肩上がりの成長には大きな期待が持てる。

 一関学院高2年時に大谷翔平(北海道日本ハム)と投げ合った経験を持つJR九州の白鳥 翔は、187cm・87kgの恵まれた体格にスタミナも備え、柔らかなフォームから力強いストレートを繰り出す。3月の東京スポニチ大会では東京ガス戦に先発し、5回まで無失点と好投。その後はリリーフでも存在感を示している。高校時代から追いかけるスカウトも、「投球術も身につけるなど着実に成長している」と太鼓判を押す。

 中日ドラゴンズの落合博満GMも、高校出3年目の投手の魅力をこう語る。

「極論すれば、入団から1年間は実戦を経験せず、陸上部(走り込みなど体力強化に専念するという意味)でもいい。じっくりプロの水に慣れると、同い年で大学へ進んだ投手が1年後にプロ入りしてくるでしょう。その時に、自分がプロで過ごした1年間の価値を実感できて、その自信が成長の原動力になる場合が多い。大学出より1年先にプロ入りできるのが最大のポイントだよ」

 日本選手権最終予選では、彼らのマウンドに注目してほしい。


横尾弘一

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:8/30(火) 6:50

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