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個人投資家の資産運用、今後はどうすべき?

JBpress 8/30(火) 6:10配信

 本コラムの締めくくりとして、今後、例えば年内までの期間における日本の個人投資家にとっての資産運用戦略を考えてみましょう。

 結論から言えば、引き続きインカム追求が主要な投資戦略と考えられます。ただし、債券やREIT(不動産投資信託)への偏りを解消するために、特に先進国の高配当株式にも投資先を広げることが一案と考えています。

 (まだまだ)インカム追求が必要と考える理由は極めて単純で、株式や社債、REITなどのリスク資産からはキャピタルゲインを得られそうにないためです。これを簡単に言い換えると「株(リスク資産)は上がりそうにない」となりますが、「だったら、株(リスク資産)は買えない」という結論には必ずしもならないと考えています。なぜならばリスク資産からは、利息や配当などのインカムゲインが得られるためです。ここで、様々なリスク資産の価格動向を振り返りつつ、今後の動向を検討してみましょう。

■ リスク資産価格はこのところ横ばい

 図1では、主要なリスク資産価格の動向を、2008年から直近時点まで示しています。これを見ると、2015年から直近2016年6月までの約1年半の間、多くのリスク資産価格は上下に大きく変動しつつも、結局のところ、直近水準は2015年1月の水準とほぼ同じで、横ばいのレンジ推移に留まっていることが確認できます。

 2008年9月のリーマン危機を経て、2009年3月以降、リスク資産価格は概ね上昇軌道を描いてきました。いわば、『何を買っても上がる時代』であったわけです。しかし、2015年以降、その勢いは失われてしまったように見えます。

 なぜ、こうしたことが起こっているのでしょうか。その理由は、株式で言えば業績が伸びず、実体経済で言えば景気拡大の勢いが弱いためです。

■ なぜリスク資産価格は横ばいに? 

 次の図2では、今回を含む過去5回の米国の利上げ局面前後で、米国株式の業績見通しがどう動いたのかを見ています。業績見通しは、上場企業の業績動向を調査する、プロのアナリストによるものです。【真ん中】に位置する【垂直の点線】は利上げが開始された月を表し、【点線の左半分】が利上げ開始前の2年間、【右半分】が利上げ開始後の2年間を、それぞれ指します。

 【オレンジ】が、今回の利上げ局面での業績見通しの推移です。一方、【オレンジを除く4本の線】は、今回を除く過去4回の利上げ局面での業績見通しの推移です。これら【4本の線】を見ると、過去4回の利上げ局面では、利上げ前後1年程度の期間にわたり、業績見通しが右肩上がりで推移したことが確認できます。つまり、「景気の勢いが強いので、業績見通しも上向きとなり、利上げも行われる」という自然な構図です。

 一方、【オレンジ】の今回の利上げ局面を見ると、業績見通しは利上げ前2年間や利上げ後、直近までの期間も概ね横ばいです。「業績見通しが横ばいなら、株価も横ばい」なのはやはり自然です。

■ 今後の企業業績の見通しは? 

 では、今後の企業業績や実体経済はどうなるのでしょうか。

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最終更新:8/30(火) 6:10

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