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アマゾン、書籍の対面販売拡大へ

JBpress 8/30(火) 6:00配信

 英フィナンシャル・タイムズや米フォーチュンなどの海外メディアによると、米アマゾン・ドットコムは書籍販売の実店舗を新たに3店開設する計画を立てている。

■ 「実店舗でもオンラインのメリット生かす」

 その都市は、(1)イリノイ州シカゴ、(2)カリフォルニア州サンディエゴ、(3)オレゴン州ポートランド。このうちシカゴの店舗は来年にオープンすることがすでに決まっている。またフォーチュンによると、ニューヨーク市にも同様の店舗が開設されるとの観測が出ているという。

 アマゾンは昨年11月に、本社のあるワシントン州シアトルに対面販売の書店「Amazon Books」を初めて開設した。

 この店舗では数千冊の書籍を販売しているほか、同社の電子書籍端末「Kindle」やタブレット端末「Fireタブレット」、音声アシスタント端末「Echo」、映像配信端末「Fire TV」などの電子機器もそろえている。

 また書籍は「面陳」と呼ばれる、棚に表紙を正面にして立てる方式で陳列している。品ぞろえには、アマゾンのオンラインストアに寄せられた顧客の評価、予約・販売実績、傘下の読書愛好者向けソーシャルメディア「Goodreads」の人気度などを反映させている。

 同社はこの第1号店開設時に、「20年に及ぶオンライン書籍販売の経験を生かし、オンラインとオフラインのメリットを併せ持つ店舗にする」と説明していた。

 今後の実店舗展開について同社は詳細を述べていないが、今後シカゴなどでオープンする店も1号店と同様の店舗になるのではないかと見られている。

■ ベゾスCEO、実店舗展開を株主に約束

 アマゾンの実店舗計画については今年2月、同社が全米で最大400店の展開を目指しているというニュースが駆け巡り、大きな波紋を呼んだ。

 ことの発端は、ショッピングモールを運営する米ジェネラル・グロース・プロパティーズのサンディープ・マスラニ最高経営責任者(CEO)の発言。同氏は決算発表後の会見で、アマゾンが300~400店の実店舗展開を目指していると述べた。

 これを受け、「eコマースの巨人であるアマゾンが、大規模事業展開を計画しているというマスラニCEOの発言は、小売業界にパニックをもたらした」などと伝えられた。

 しかしジェネラル・グロース・プロパティーズはその後声明で、「当社のCEOの発言はアマゾンの計画を代弁するものではない」とし、マスラニCEOの発言を撤回した。

 果たして、アマゾンの計画がどの程度の規模なのか今のところ分からない。だが米ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは今年5月に開催した株主総会で、実店舗展開を進めることを株主に約束した。

 たとえその計画がショッピングモールのCEOが言ったような規模でないにしても、同社は今後対面販売の店舗を増やしていく方針のようだ。

■ アマゾン VS 既存小売業者

 こうしたアマゾンの事業展開について、フィナンシャル・タイムズは、「eコマース大手のアマゾンは最近、実店舗を持つ小売業者の事業モデルを取り入れている」と伝えている。

 例えば同社はプライベートブランド(PB)の拡充を図っている。今年6月には、コーヒー豆や離乳食などのブランドを立ち上げ、本格的に食品PB事業に乗り出した。

 その一方で、既存小売業者もeコマース分野に力を入れている。例えば、米ウォルマート・ストアーズは今月、ネット通販「Jet」を運営する米ジェット・ドットコム(Jet.com)を買収することで両社が最終合意したと発表した。

 アマゾンが実店舗ビジネスを拡大する中、小売業者もeコマースを拡大し、この分野でアマゾンに追いつこうとしていると、フィナンシャル・タイムズは伝えている。

小久保 重信

最終更新:8/30(火) 6:00

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