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首都圏マンション市場に異変 在庫積み上がり「危険な兆候」

マネーポストWEB 8/31(水) 16:00配信

 日銀のマイナス金利導入で住宅ローン金利が過去最低水準まで下がり、マイホームを購入したい人にとっては追い風のはずだが、ここにきて首都圏のマンション販売は変調をきたしている。

 不動産経済研究所が発表した7月の首都圏マンション市場動向によると、発売戸数は前年同月比30.7%減の3317戸と8か月連続で前年実績を下回り、実際に売れた契約率も63.3%と好不調の目安となる70%を2か月連続で割り込んだ。

 今年5月まで12か月連続で上昇していた平均販売価格も、6月から下落に転じ、7月も前年同月比で1戸当たり297万円(5%)ダウンの5656万円となっている。なぜこんなことになっているのか。ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター)はこう分析する。

「建設コストが上昇して販売価格が高止まりしてきた中、いくらローン金利が下がっているとはいえ、そもそも給料が上がらない中では買いたくても買えない人が少なくありません。少し前までは円安を背景に海外勢が爆買いしていましたが、円高の進行で一時の勢いを失いつつある。買い手不在の中、次々と売り出しても売れないのは当然といえるかもしれません」(藤川氏。以下「」内同)

比較的好調な中古物件も値崩れの可能性

 藤川氏が特に注目しているのは、東京都の23区内の平均販売価格が6687万円と前年同月比16.2%ダウンしているのに対し、都下では5297万円と23.2%アップしている点だという。

「ここにきて都下での供給が急激に増えており、そこまで高値で本当に売れるのかという物件も目立ってきています。今や作れば作るほど物件が余り、不動産各社では在庫が積み上がっているような状況です」

 在庫が増えれば、さらなる新規物件の発売が遅れるだけでなく、値引き販売に踏み切らざるを得ないケースも出てくるため、「今は比較的好調な中古物件も値崩れする可能性があり、不動産会社の収益圧迫にもつながりかねず、危険な兆候かもしれません」という。

 何より「家を買いたい人」はどうすればいいのか。藤川氏はこうアドバイスする。

「そもそもマイナス金利は借り換える人にとっては有利かもしれませんが、これから買おうという人はむしろ金利の上昇リスクを抱えてしまううえ、高止まりしてきた物件を手にすることで不動産価格の下落リスクも抱え込む可能性があります。少なくともこれからマイホームを購入する人は、この先、厳しくなる方向にあることだけは認識しておく必要があるでしょう。くれぐれも慎重な判断が求められます」

 2020年の東京五輪開催までは活況を呈すると見られていた不動産市況に早くも暗雲が垂れ込めているのか。その動向は注視しておきたい。

最終更新:8/31(水) 16:00

マネーポストWEB

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