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国際社会を味方につけて中国の尖閣奪取を阻止せよ

JBpress 8/31(水) 6:15配信

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)に対する中国の侵略的な行動が止まらない。日本政府の再三の「断固たる抗議」にもかかわらず、中国海警の武装艦艇や民兵漁船団の日本領海への侵入はエスカレートするばかりだ。

 その間に中国外相は日本を堂々と訪問し、日本政府の抗議も軽く受け流す。このままでは中国が日本固有の領土を実効支配しかねない危険性も浮かび上がってきた。

 中国は何を狙っているのか。日本はどう対抗すべきなのか――。米国の中国研究者として知名度の高いジョージ・ワシントン大学教授、ロバート・サター氏に、尖閣諸島をめぐる最近の状況への見解をワシントンで尋ねてみた。

 サター氏は米国政府の国務省、国家情報会議、中央情報局(CIA)などで中国担当の専門官として30年以上を過ごしてきた。特に中国の対外戦略研究では米国でも有数の権威とされている。サター氏との一問一答は以下の通りである。

■ 日本と中国国内に向けたメッセージ

 ――中国はここ数週間、尖閣諸島の海域にこれまでにない規模と頻度で攻勢をかけてきています。今回の攻勢の動機をどう見ますか。

 ロバート・サター氏(以下、敬称略) 中国は日本が実効支配している尖閣諸島を自国領だと宣言し、その領有権を確実に手中に収めることを国家目標としています。この時期に中国海警や、いわゆる“漁船”を前例のない数と頻度で出動させて日本への威圧行動を始めたのは、明らかに中国指導部の新たな決定に基づいています。

 今回の行動の第1の動機は、南シナ海での中国の無法な行動に対して日本が国際的に最も強く抗議していることへの警告です。日本への反発や怒りが大きな動機になっていると思います。

 ――だとすると、この7月に国際仲裁裁判所が、中国の南シナ海での領有権主張を不当だとする裁定を下したことも、当然大きく関係しているわけですね。

 サター そうです。今回の行動には、日本だけでなく米国などの国際社会全般に対して、裁定への抗議を宣言するという動機もあるでしょう。

 同時に、そのメッセージを中国国内に向けて発信するという動機もあります。中国政府は国際仲裁裁判所の裁定で敗北しました。しかし、「裁定は無視して『4つのノー』(不参加、不受理、不承認、不執行)の立場を貫く」「安全保障や国家主権にかかわる案件では決して後退せず、断固たる立場を変えない」というメッセージを中国の国民に向けて発信し、政権の基盤強化を図るという動機です。

 ――中国は9月上旬に杭州で開かれるG20サミットの主催国です。サミットを円滑に開くために、国際的に反発を浴びるような言動は控えるのではないかという観測もありましたが。

 サター その観測は米国側にもありましたが、見事に外れましたね。G20開催までは中国は挑発的な言動をとらないだろうという観測は的中しませんでした。

■ 今すぐ尖閣上陸を目指すわけではないが・・・

 ――中国によるこの種の軍事がらみの挑発について、日本では一部に「中国軍部の一部が勝手にとった行動であり、政治指導部は必ずしも認めていない」との見方もありました。今回の攻勢についてはどう見ますか。

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最終更新:8/31(水) 6:15

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