ここから本文です

プーチン側近が大人事異動、4期目の布石か若手か

JBpress 8/31(水) 6:10配信

■  ロシアの8月

 8月はロシアにとり鬼門である。1991年8月19日、ソ連邦の首都モスクワでクーデター未遂事件が発生した。このクーデター未遂事件を契機に、ミハイル(M)・ゴルバチョフ/ソ連邦初代大統領とボリス(B)・エリツィン/ロシア共和国初代大統領間の力の均衡が崩れ、この年の末にソ連邦は解体された。

 2000年8月12日には、北極海のバレンツ海で原潜クルスク沈没事件が発生。同年5月にロシア大統領に就任したばかりのウラジーミル(V)・ プーチン新大統領は対応に苦慮。1週間雲隠れして、世界中のマスコミから叩かれた。

 この時のトラウマと軍の対応に不信感を抱いたプーチン新大統領は2001年3月、自分の盟友を国防相に任命した。それがソ連国家保安委員会(KGB)時代の同僚で、当時安全保障会議書記を務めていたセルゲイ(S)・イヴァノフ氏。軍人ではない文民国防相がロシアで初めて誕生した。

■ 最近のプーチン大統領周辺人事は何を意味するのか? 

 ロシア・プーチン大統領の周辺人事が今、大きく動いている。

 現在何が起こっているのか結論から先に言えば、プーチン大統領周辺の力の均衡が、旧KGB(ソ連国家保安委員会)第1総局(対外諜報/現SVR=対外諜報庁)と第2総局(国内保安/現FSB=連邦保安庁)重視政策から、旧KGB第9局(要人警護/現FSO=連邦警護庁)人脈重用に移りつつあると言えるだろう(プーチン大統領自身はKGB第一総局第4課勤務)。

 すなわち、プーチン大統領は旧第9局人脈を登用し始め、SVR/FSB人脈のロシア政府内の要職や知事職を、徐々にFSO とその傘下のSPB(大統領警護局)人脈が占めるようになった。

 2016年に入ってからの主要人事は下記のとおりである。

 2016年2月:SPB出身のA.ジュ―ミン国防次官(43歳)がトゥーラ州知事代行に就任。
2016年4月:SPB出身のロシア内務省国内軍V.ゾロトフ総司令官が、4月に新設されたロシア国家親衛隊の総司令官(閣僚待遇)に就任。

 2016年5月:Ye. ムーロフ(FSO)長官(70歳)からの辞職願を受理して、解職。
2016年7月:4人の知事と3人のロシア連邦管区大統領全権代表を交代。
2016年8月:プーチン大統領の盟友S.イヴァノフ大統領府長官(63歳)が辞任して、知日派のA.ヴァイノ大統領府副長官(44歳)が長官に昇格。

 次の大物人事はロシアの次期首相人事になる。2016年9月18日にロシア下院(正式名称「国家会議」定数450議席/日本の衆議院相当)選挙が実施され、下院選挙後に内閣は改造される。

 では、上記一連の人事異動が何を意味するのか、プーチン大統領は何を求めているのか考察したい。

1/6ページ

最終更新:8/31(水) 6:10

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。