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ベストセラー『さおだけ屋~』著者が編み出した「負けない」投資術とは?

HARBOR BUSINESS Online 8/31(水) 9:10配信

’05年の発売以来、累計164万部を突破し、今なお売れ続けるベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』。その著者である公認会計士・税理士の山田真哉氏は、株やFXなどの投資家としての顔も持っている。だが一方で、その膨大な額の印税をFXにつぎ込み、溶かしてしまったという破天荒な投資体験をしたことも。最近では、そういった自身の経験も交えながら、お金や経済、投資についてわかりやすく解説するラジオ番組『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』が人気を集める山田氏に、過去の投資失敗談や現在の投資ライフについて聞いた。

◆大失敗の末、編み出したのは「死ぬまで売らない投資術」

――山田さんはFX以外に株などもやられているんですよね。そもそも最初に投資を始めたのはいつでしたか。

山田:最初は’99年に買った投資信託です。でも、投資信託って、あまり値動きがないじゃないですか? だから途中で飽きてしまって。そのあと、公認会計士になって監査法人に入ったので、仕事柄、株投資は一切できなかったので、一時中断しました。ただ、投資にはすごく興味があったので会社を辞めた後、すぐに株式投資を始めました。

――これまで投資を我慢していた欲求不満が一気に噴出ですか? 最初の頃は、どんな銘柄を買っていたんですか。

山田:ソニーや三菱東京UFJ、新日鉄など、割とメジャーで手堅い感じの銘柄が多かったです。

――FXでは大金を溶かしてしまったわけですが、株の勝敗はどうですか?

山田:今のところ、これまで2000万円くらいつぎ込んで、最大で含み損は1200万円ほどでしたね……。

――FXだけじゃなくて、株でも負けてるんですか!?

山田:株をやり始めた頃の僕は、株を買っても、ほとんどチャートや株価の動きを見てなかったんですよ。もともと監査法人にいたので、その会社の良し悪しを見分けるには、株価より決算書のほうが大切だっていう考え方が強かったので。あと、僕はアニメが大好きなんですけど、10年くらい前に「萌え株」が流行していたんです。そこで、僕が萌え株を買いまくるという雑誌連載があって、600万円分くらい買ったんですが、そこでもかなり損しました。ものによっては、200万円で買ったのに、今では10万円になっている銘柄もあります。

――買った当初と比べて、株価が20分の1とはだいぶ下がりましたね。

山田:僕が萌え株を買い始めた頃は、萌え株自体の人気が沸騰していた頃だったいうこともあって、かなりの高値掴みをしてしまったんです。今思えば「そりゃ、株価も下がるよね」って感じなんですけど。まさに火中の栗を拾いに行くというか、毎月はずれくじをバンバン買っていくような感じでしたね。

――今も萌え株は買っていますか。

山田:アニメのクオカードとかスタジオ見学の権利とか、面白い優待があるのはホールドしてますが、一度失敗しているので、基本は買わないです。

――株でもFXでも痛い目を見た、ということですが、その後も投資は続けてらっしゃるんですよね。

山田:実はFXや株で痛い目に遭いすぎたので、’08年以降はとりあえず買った銘柄はそのまま塩漬けにして、投資自体は中断していたんです。今思うと、’09年くらいから相場が良くなったので、本来ならそのタイミングで買っておくべきだったんですが……。ただ、「羹に懲りて膾を吹く」(=前の失敗に懲りて、度を越して用心深くなること)ではないですが、その前に投資で痛い目に遭いすぎているので、また失敗するのが怖かったんですよね。

――FXと株で6200万円も損を出したら、そうなりますよね……。

山田:そして、アベノミクスで相場がまた戻ってきた’12年ころから、「もう大丈夫かな?」と思って、またちょっとずつ株を買い始めました。いまは60銘柄くらい持っていて、毎年1、2銘柄ずつ買い足していっている感じです。

――’12年以降の成績はいかがですか。

山田:どうでしょうね。勝っても負けてもいないという感じでしょうか。基本的に今ある銘柄はよほどのことがない限り、死ぬまで売らないつもりです。

――え、そうなんですか。

山田:まぁ、お金に困ったら売りますが、現在は本業でちゃんと生活できているので。今は過去の塩漬けのせいで含み損200万円ぐらいですが、売ると損が出てしまいますよね。でも、そのまま死ぬまで一生保有しておけば、負けることはないですから。まぁ、僕の子供からしたら、「せっかくなら、現金で遺産を残してくれたほうがありがたい」と思うかもしれませんが(笑)。

――じゃあ、売却益で利益を得ようとは思ってないということですか。

山田:そうですね。基本は優待と配当金で回収しようと思っています。だって、株価は上がるか下がるかわからないじゃないですか? それよりは、確実にもらえると約束された1%のほうが僕にとっては大きいです。短期投資型の人には「配当金と株主優待に魅力を感じない」と言われることもありますが、なかには配当金を3~5%くらい出すものもありますからね。

――投資でガッツリ儲かろうという気持ちはあまりないんですね。

山田:100人の中で1位になろうとするのは難しい。もちろん1番になれたらいいですが、僕には無理だってことがこれまでの経験上わかってきたので。でも、100人中1位にはなれなくても、49位でも十分だと僕は思うんですよ。そのくらいのポジションを目指して、とにかく「負けない投資」をしていきたいと思っています。

――最近は景気も横ばい気味で、なかなか好材料が見当たらない相場だとも言われています。今年下半期の展望については、どう思われますか?

山田:好材料がないときっていうのは、逆にチャンスでもありますから。今年の夏は結構注目だと思っています。特に、今注目したいのは、最近調子が悪いと言われ続ける新興国の復活ですね。

――新興国というと、たとえば中国や東南アジアなどでしょうか?

山田:そうですね。中国などは、一時期の勢いはなくなり、経済市場も減退気味だという報道もありましたが。最近は持ち直しているという話もあります。あと、最近中国や東南アジアなどの新興国へ行った人に話を聞くと、「活気や熱気がすごい」という話しか聞きません。それから原油が戻ればロシアや中東が持ち直してくる可能性も高い。そうなれば、また潮目が変わると思います。今年は、おそらく原油で始まり、原油で終わる1年なんじゃないかと思っています。

◆投資初心者が始めるべきはクレジットカードとふるさと納税

――今年はアメリカ大統領選挙などのビックイベントも控えていますね。

山田:「トランプが大統領になると日本は危ない」と騒がれていますが、僕はそんなにネガティブにはとらえてないです。彼の政策は基本的に「アメリカ・ファースト」なので、彼が大統領になってアメリカ市場の経済が盛り上がるなら、日本をはじめとする世界市場に利益を与えてくれるはずですし。人格的には好きにはなれないですけど。

――最後に、投資初心者の人に向けて、オススメの情報を教えてください。

山田:投資初心者の人だったら、まずNISAでしょね。一度NISA口座さえ開設してしまえば、毎年上限120万円までは非課税で投資ができますから。ただ、投資は必ず儲かるものではないので心配だという人の場合は、まず簡単にできるお得なテクニックから始めてみてはどうでしょうか。たとえば、クレジットカードをポイント還元率の高いカードに変えてみたり。最近、クレジットカード仲間で流行しているのは、「LINE Payカード」です。かつてポイントの高還元率を誇っていた「漢方スタイルクラブ―カード」や「REXカード」などの人気カードが軒並み還元率を下げるなか、今年発行されたばかりの「LINE Payカード」は還元率が2%。プリペイド型で公共料金払いに使えない時があったり、JCBしか発行されていないというデメリットはありますが、今後改善されていく可能性もあります。あとは、「ふるさと納税」もいいと思いますよ。僕の場合、これまではTポイントなどポイントや金券などを返礼品にしていました。ただ、今年4月に総務省から「換金性の高い返礼品は禁止」という通達があり、金券や家電が廃止になってきているので、急いで申し込んだほうがいいかもしれませんね。

 FX、株投資では現時点で儲けを出せていない山田氏。だがここはひとつ、失敗談から学びとりたいところ?

◆“オカネ”のバラエティラジオ番組『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』にレギュラー出演中

 投資経験豊富な山田氏が、自身の経済・投資知識を生かし、現在レギュラーを務めるのが文化放送で毎週月曜日21時30分から放送中のラジオ番組『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』。お金や経済、投資にまつわる情報番組だが、共にMCを務めるのは人気声優の浅野真澄さん。実は浅野さんはクレジットカードすら使ったことがないという投資初心者だったが、この番組を通じて昨年から本格的に株を始めたところ、なんとすでに300万円の利益を得たという。

「僕は、買った銘柄は売らずに持ち続ける長期保有タイプなんですが、浅野さんはマザーズなどに上場する新興株を買って、売却益を得ようとする短期投資タイプ。だから、番組中も2人の意見が正反対なこともよくありますよ」と山田さん。特に番組中で2人の意見が特に真っ向からぶつかるのは、株主優待についての考え方だ。

「僕は株に関しては、配当金や優待を重視しています。でも、浅野さんはこの2つには興味ゼロですね。たとえば、先日も僕が優待で3000円の吉野家商品券や500円分のクオカードを手にいれた話をしても、『数千円分の利益のために、何十万円も払って株を持ち続けるのは機会損失だと思う』とか『優待目当てで選ぶと投資判断が鈍るんじゃないか』と、よく批判されています(笑)。ただ、僕はこちらのやり方のほうが正しいと思っているので、絶対譲りませんけどね」

 だが、こんな2人の赤裸々なやり取りが評判を呼び、昨年にはアニラジアワードで、「聴いているとためになる番組」として賞を取ったことも。「投資を始めてみたいけど何をしていいかわからない」と思う人は、ぜひ一度聴いてみてはいかがだろうか?

◆『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』が書籍化

 知識や経験はなくても、お金への執着は人一倍ある浅野さんは基礎から事細かに質問。的確な山田氏のアドバイスを吸収し、すくすくと成長した浅野さんは、わずかデビュー1年足らずで、300万円の利益を確定させる立派な投資家に。

 なぜ投資初心者の声優が短期間で結果を出せたのか? 山田氏と浅野さんが自身の経験と知恵を振り絞り、「投資デビューを目指す人が本当に必要な情報」だけをまとめた投資入門本の決定版が発売決定!

【山田真哉】

1976年、兵庫県神戸市生まれ。新卒で東進ハイスクールに入社し、軽率にも同社の株価低迷を理由に退社。その後、猛勉強の末、公認会計士試験に合格し、監査法人に勤務しながら『女子大生の事件簿』の執筆を開始する。2005年に出版した『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は164万部のベストセラーに。出演する人気ラジオ番組『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』から生まれた投資入門本『山田先生とマネー番組をはじめたら、株で300万円儲かった』が8月31日に発売

取材・文/藤村はるな 撮影/林紘輝 写真/時事通信社

― 大ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』著者の山田真哉が激白! ―

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最終更新:8/31(水) 9:50

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北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。