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フリーアナウンサーの闇:引きずり落とす敵は身内にいる。女子アナというタイトルを潔く捨てた本当の理由

東京カレンダー 8/31(水) 21:20配信

女子アナ。

この響きに、人は夢と憧れを抱く。

美人で知的な高嶺の花というイメージが強く、女性はテレビに映る華やかな仕事に憧れ、そして男性はその一歩奥ゆかしい女性像に憧れる。

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永遠に汚れのない純白な存在。そんな妄想像が世の中に浸透しているが、実際のアナウンサーは少し違う。華やかな世界の裏で、笑顔で足を踏みあい、蹴落とし合いながら上を目指す。

そして近年では所謂フリーと言われる、局に属さずに活動するフリーアナウンサーが増加し、一昔前のアナウンサーの人気絶頂時代は終わりを迎え、戦国時代に突入した。

これまでに親友にレギュラー番組を奪われた地方局出身の理香、女子大生という冠が外れると共に仕事を失ったお天気お姉さんの美奈、そして元局アナで後輩のスキャンダルを狙う涼子、アナウンサーという夢を追い続けるCA加代子、以前降板させられたワガママ局アナへの復讐に燃える智子を追った。

今週は?

<今週のフリーアナウンサー>

名前:絵美
年齢:33歳
前のステータス:キー局の局アナ
出身大学:一橋大学
年収:約480万円
趣味:海外のカフェ巡り

パティシエとなったアナウンサー

「いらっしゃいませ。今日はどのお菓子にしますか?」

自由が丘にある小さなケーキ屋さん。そこに元局アナで、人気を博していた絵美がパティシエとして働いている。入社前から絶対的なエースとして注目され、入社後も数本看板番組を持ち、活躍していた。

世間からの好感度も高い上、プロデューサーや他のスタッフ達からのウケも良い絵美は次々と仕事が舞い込んだ。幸か不幸か、後輩と同期が次々と辞めていき、絵美の仕事は増える一方だった。

局アナとして生きる道もあった。

―フリーになったら年収数千万円は確実―

そうとも言われていた。

しかし絵美が選んだ道は、街の小さなお店で働くパティシエだった。

過酷なアナウンサー時代

「アナウンサー時代は...疲れ果てていました(笑)」

毎日入る生放送の番組に加えて他の番組の司会、ナレーション業務に幹部とクライアントの接待の日々...元々上に媚びを売るようなタイプでもなく、且つお酒も苦手な絵美にとって、その接待が何よりも憂鬱だったと言う。

「一見華やかに見えるアナウンサーも、若くて綺麗なうちはアクセサリーとして使われることが多くて。もっと、自分自身を見てくれるような、自分の実力だけで判断してもらえる世界に身を置きたくなったんです。」

アナウンサーには特色があり、新卒採用の時点でバラエティー向けの人、報道向けの人に分かれている。仮にアナウンサーの新卒採用に女性が二人いた場合、雰囲気や顔で何となくどちら向けに採用されたのか分かるだろう。

(アナウンサーの採用人数が減っている時期には、女性一人しか採用されない時代が続いていたが。)

絵美はその見た目と華やかさからバラエティー向けと判断された。本人は報道に行きたかったが、局アナ時代はほぼバラエティー番組の担当だった。自分のやりたかった仕事と、半分アイドルのような仕事のギャップ。

他の女子アナのようにチヤホヤしてもらいたくてアナウンサーになった訳ではない絵美にとって、日々の業務と接待は耐えられない苦痛になっていく一方だった。

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最終更新:8/31(水) 21:20

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