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39歳女性役員は黄昏の楽天を救えるか

週刊文春 9/1(木) 12:01配信

 8月25日、楽天モバイルの新CMが発表された。イメージキャラクターに起用されたのは、楽天の三木谷浩史社長(51)と親交のある「X JAPAN」のYOSHIKI。その場で三木谷氏に電話をかける演出つきだった。

 この携帯事業のほか、日本最大の通販サイト「楽天市場」を中心に、オークションや旅行、金融事業まで幅広く手掛け、IT業界のリーディング・カンパニーに上り詰めた楽天だが、「収益トップの座から滑り落ちる日も近い」(ITアナリスト)と、業界内では危惧されている。

 ここ数年、矢継ぎ早に買収に打って出た海外では多額の減損処理を余儀なくされた。英国など欧州3カ国、東南アジア3カ国の通販サイトは閉鎖に追い込まれ、苦境が続く。

「海外ではフランス、ドイツ、台湾に経営資源を集中しつつ、国内を立て直す方針ですが、そもそもビジネスモデルが岐路に立っている」(同前)

 楽天の成功は、モール型電子商取引で圧倒的なシェアを得た上で、金融、旅行など、グループ内の多様なサービスと結び付け、収益を雪だるま式に拡大する「楽天経済圏」を構築したこと。

「市場やトラベルの決済で、楽天銀行や楽天カードを使わせる。いまや利益の3割を稼ぐのが金融部門なのは、そのためです。さらに楽天スーパーポイントをつけて、それを楽天内で再投資させる。そのためには楽天市場でシェアをとることが必須。しかし、ヤフーが手数料ゼロで追撃。直販型だったアマゾンもモール型に進出し、楽天の牙城を崩しにかかっています」(同前)

 2割近かった楽天市場の伸びは1桁台に落ちたと見られ、危機感を強めた三木谷氏は7月に楽天市場のトップだった常務を交代させた。後任は河野奈保上級執行役員(39)。

「SBI証券出身で、03年に楽天に転職。無理がある高い目標でも『ノー』と言わないところが、体育会体質の三木谷氏に気に入られ、入社10年目で役員に抜擢された。女性では最年少役員でした。ただ、河野氏がトップとは言うものの、部門は三木谷氏本人の直轄統治になった。『これでは河野色は出せない』との声もあります」(楽天関係者)

 来年2月に創立20周年を迎える楽天。三木谷氏の目指してきた世界一は未だ遠い。


<週刊文春2016年9月8日号『THIS WEEK 経済』より>

森岡 英樹(ジャーナリスト)

最終更新:9/1(木) 12:06

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