ここから本文です

企業を成長させるキャリア支援のあり方――「キャリア自律」と「組織活性化」を実現する(ヤフー本間氏×NSSOL中澤氏×慶應花田氏)【HRC2016春】

日本の人事部 9/1(木) 7:30配信

改正された職業能力開発促進法が4月1日に施行され、キャリア開発、キャリア向上が労働者にとっての責任となると同時に、事業主もその援助を行うことが追加された。個々人のキャリア自律を支援していくために人事は何をすればいいのか。キャリア論に詳しいヤフーの本間浩輔氏、新日鉄住金ソリューションズの中澤二朗氏の両氏を迎え、キャリア自律研究の第一人者である慶應義塾大学の花田光世氏を司会に議論が進められた。

花田氏によるプレゼンテーション:ダイナミックプロセス型キャリアの展開

職業能力開発促進法の改正では、事業主に対しても、労働者の職業能力の開発および向上を支援するための、キャリアコンサルティング機会の確保とその他の援助を行う責任が生じた。まずは、キャリアとは一体何なのか。花田氏が見解を語った。

一般的にキャリアには、個々のジョブ、職務、スキル、知識などを積み上げて獲得していく外的キャリアと、自己実現など念頭に置いた内的キャリアがありますが、私は「ダイナミックプロセス型キャリア」という視点で、日ごろからの前向きな活動を行い続ける連続性がキャリアだと捉えています。ここでのポイントは、日々の活動、成長、チャンス、貢献を通して自分の責任や自覚が拡大していく気持ちを持ち続けながら、キャリアを積んでいくということ。キャリアとは、過去・現在・将来にわたる継続的な気付きを通して多様な可能性の発揮を多様な局面で実践し続けるプロセスであり、ライフスタイルの構築だと考えます。

継続的というのはいつまでなのでしょうか。年金構造を例に考えると、完全定年制が65歳になる2025年は年金を支払う人と受ける人のバランスで見ると、1.9人で1人を担うことになり、構造の維持が困難な状態に入ります。そうすると、雇用が70~75歳に延長される可能性が高まります。従って、その年齢まで見据えた長期的なキャリア自律の実践に本人も努力し、企業もその支援を行うことが求められるようになります。

100人いれば100のキャリア自律があります。それに一つの制度で対応することは不可能ですから、基本的な人事の枠組みを作った上で、一人ひとりに対して合理的な配慮と支援で運用していくことが好ましいと言えます。従来型の企業主導の教育やモチベーション管理では困難であり、人事の仕組みを変えざるを得ません。

そうなると、組織の活性化についても、従来型の金太郎飴型の一体感や硬直的なMBOの運用をベースとしたタイプによる指標では不充分であり、新しい活性化指標を作っていかざるを得なくなります。お手本としては、ここ数年に米国で起こっている、一人ひとりの積極的なキャリア自律の実践をベースに個人の成長とその支援に軸足を置く「パフォーマンス評価」が参考になると思います。GEもセッションCを見直し、10%の者は組織を去れ、というアップオアアウトの概念も変えてきました。また、組織にとって必要なスキルを組織が徹底的に教育するトレーニングから、個人が持っている能力を組織が積極的に活用し積極的に開発していく「タレントデベロップメント」への流れも見逃せません。

1/4ページ

最終更新:9/1(木) 7:30

日本の人事部

記事提供社からのご案内(外部サイト)

日本の人事部

株式会社アイ・キュー

毎週更新

無料

日本最大のHRネットワーク。企業研修、採用
、評価、労務などのナレッジコミュニティと
して、イベントや雑誌などと連動しながら
「人・組織」に関する課題解決をサポート。