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SEALDsとは何だったのか?

WiLL 9/1(木) 9:01配信

 SMAPが解散宣言した。1982年生まれの私の世代にとっては、まさに青春の軌跡と一致したSMAP。
 木村拓哉は、「ちょ待てよ」がキムタクの物まねとして流行した。96年のフジテレビのドラマ『ロングバケーション』。「地雷、踏みました?」が流行語になる。山口智子の7歳年下の恋人役を木村が演じる。社会現象になった。個人的に白眉と思うのは『古畑任三郎』のセカンドシーズン第4話、「赤か、青か」。マッドサイエンティストの犯人役を演じる。観覧車を爆破する際の身勝手な犯行動機に、シリーズで唯一古畑がビンタするシーン。しびれる演出だ。嫌われ役もなかなかいけている。
 中居正広は、青木雄二(熱心な共産主義者だった)の原作『ナニワ金融道』のドラマ版で主人公・灰原達之を好演した。
 香取慎吾は、日本人離れしたエスニックな外見からか、フジテレビのドラマ『ドク』でベトナム人青年を演じる。さすがにこの時は無理があると思ったが、ドラマ版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(こち亀)での両津勘吉役はハマっていた──。
 と、ここまできて本稿はSMAPを語るものではない。SMAP解散発表の翌日、8月15日に解散したある団体がある。

挫折した若者運動

 SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)は今夏参院選でも、野党共闘を支える「市民連合」の重要な一角として野党側を支えた。SEALDsの前身はSASPL。第二次安倍政権が誕生して1年後の2013年12月、特定秘密保護法の成立を受けて危機感を募らせた明治学院大学の奥田愛基を中心として結成された学生チームである。図らずもSMAPの解散発表とSEALDsの解散が同日に起こった。不思議な因縁を感じる。
 SEALDsは今次参院選挙から実施となった「十八歳選挙権」を受けて、昨年の安保法制反対デモと合わせ、多くのメディアから注目される存在であったことは論を待たない。しかし、SEALDsが若年層に影響をあたえたのか、というと、その戦果は芳しくない。各種世論調査や出口調査によると、18歳、19歳の投票動向で寡占的なのは自民党への投票で、SEALDsを含めた市民連動が推した野党系への投票は必ずしも活発ではない。この傾向は、参院選の後に実施された東京都知事選挙(7月末)でも同様である。市民連合が推したジャーナリストの鳥越俊太郎は、「保保分裂」とされた元岩手県知事の増田寛也の約179万票にすらはるかに及ばない134万票で惨敗した。SEALDsが若者層のある種の代弁である、という図式ははからずも否定された格好である。
 今次参院選挙の18歳、19歳の投票率を振り返ると、18歳は51・17%、19歳は39・66%で、両年齢を合わせると45・45%であった。今次参院選の全体投票率は54・70%だから、いずれにせよ低調だ。19歳投票率に比べ18歳のほうが投票率が高いのは、高校生で両親と同居している=住民票の移動がないことが奏功しており、大学や短大、専門学校で親元を離れ、なおかつ住民票を移していない19歳の投票率が10ポイント以上落ちた。日本の投票制度は住民票をもとにした在地主義である。制度上、不在者投票は可能だが、多大な手間暇がかかる。その、低調であった19歳の有権者ですら、SEALDsの訴えが浸透していたとは言えない現状がある。

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最終更新:10/28(金) 13:56

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