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今こそ振り返りたい関東大震災の「予知」論争

JBpress 9/1(木) 6:15配信

 8月24日、イタリアとミャンマーでマグニチュード6クラスの地震が相次ぎ発生した。

 午前3時36分(現地時間)、イタリア中部のペルージャ県ノルチャの南東約10キロメートルを震源とするマグニチュード6.2の地震が発生。震源の深さが約4キロメートルと浅かったため、就寝していた多くの住民が倒壊した建物の下敷きとなった。地震による死者数は29日までに292人に達し、余震の回数は1800回を超えた。

 またミャンマーでは午後4時4分(現地時間)、最大の都市ヤンゴンの北西約500キロメートルを震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し(震源の深さは約84キロメートル)、世界的な仏教遺跡のパガンが大きな被害を受けた。

 2つの地震は8000キロメートル以上離れた場所で起きたものだが、地震の規模は似ている。2つの地震に関連はあるのだろうか?  プレートテクトニクス理論(プレート説)に代わる「熱移送説」という理論に基づいて地震発生メカニズムの解明を試みている角田史雄埼玉大学名誉教授に尋ねてみた。

■ 熱エネルギーの到達が噴火・地震を起こす

 角田氏のコメントを紹介する前に熱移送説について説明しておこう。

 熱移送説の中で主役を務めるのは「熱エネルギー」の伝達である。その熱エネルギーは、地球の地核(特に外核)からスーパープリューム(高温の熱の通り道)を通って地球表層に運ばれ、その先々で火山・地震活動を起こす。

 火山の場合、熱エネルギーが伝わると熱のたまり場が高温化し、そこにある岩石が溶けてマグマと火山ガスが生まれると、そのガス圧で噴火が起きる(「マグマ」とは約1000度に溶けた地下の岩石のことであり、この高温溶融物が地表へ噴出したのが「溶岩」である)。

 地震の場合は、硬いが脆い岩層の地下岩盤が熱エネルギーによる膨張で割れることにより発生する。つまり熱エネルギーが通ることにより断層が活断層になるのである。

 角田氏によれば、南太平洋(ニュージーランドからソロモン諸島にかけての海域)と東アフリカの2カ所から、地震や火山の噴火を引き起こす大本の熱エネルギーが地球表層に出てくるという。日本の地震や火山噴火に関係があるのは南太平洋のほうである。

 南太平洋から出てきた熱エネルギーは、西側に移動しインドネシアに到達すると3つのルートに分かれて北上する。3つのルートとは、(1)スマトラ島から中国につながるルート(SCルート)、(2)マリアナ諸島から日本につながるルート(MJルート)、(3)フィリピンから台湾を経由して日本につながるルート(PJルート)、である。

 角田氏はさらに「噴火と地震の発生場所はほぼ変わらない」と指摘する。環太平洋火山・地震帯が約10億年も不変であることが示す通り、地球の中で高温化する場所や岩盤が割れやすい箇所はほとんど変わらない。そのため、熱エネルギーが移送されることによって生じる火山の噴火地点や地震が起こる場所は不動だという。

 角田氏は、「熱エネルギーは1年に100キロメートル以上の速さで移動する」のでインドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、その何年後に日本で地震や火山の噴火が起きるかがある程度予測できるとしている。

■ イタリア、ミャンマーの次はどこか

 今回のイタリアの地震について、角田氏は次のように解説する。

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最終更新:9/1(木) 7:05

JBpress

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