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【再考! サイコ~! さぁ行こう!】 銭湯のススメ

オーヴォ 9/2(金) 11:03配信

 日本人の風呂好きは、もはや世界でもお墨付き。どんなに安いホテルでも風呂にはバスタブがあり(海外ではシャワーのみという安ホテルも普通にある)、ワンルームマンションでもトイレと風呂が別という物件が人気で、いまや温泉はリゾートとして立派に市民権を得ているほど。なにしろ自宅に風呂があるにもかかわらず、あえてお金を払ってまで風呂に入りに行こうというのだから、どれだけ好きなんだという話である。実際、勤め人でないのをいいことに、ルンルン気分でウイークデーの真っ昼間にスーパー銭湯や日帰り湯に行くと、同じようにルンルンしに来ている人が多いことに驚かされる。それもおじいちゃん、おばあちゃんばかりじゃないところがすごい。マダムに妙齢の女性、若いカップルなどなど、自分を棚に上げて「あのぉ失礼ですが、お仕事は何を……?」と聞いてみたいような人も多い。

 それにしても、これだけ世の中にいろいろ楽しいことがあるのに、なにもわざわざ風呂に入りに来なくても、である。表参道ヒルズだって、スカイツリーだって、パンケーキだって、アウトレットだって、エステやマッサージだって、なんだってあるのである。でも、風呂。もちろん今どきのスーパー銭湯や日帰り湯は、エステやヘアカットやレストランも完備している。加えてお昼寝スペースだって用意されていて、「さぁさ、おくつろぎくださいませ~~~」状態ではある。「なんだったら1日いてもよござんす」的な太っ腹なところだってある。

 が、しかしだ。問題は料金。かなりする。まぁ1,000円から3,000円くらいまでというところか。1日過ごせるならディズニーランドの1デーパスポートより安いともいえるが、そんなにいろいろアミューズメントがあるわけではない。要は「くつろぎ」の一点に目的は集約されているので、まぁ数時間ダラダラ過ごすというのがいいところかもしれない。そうなると1,000円から3,000円という料金がもったいなく思えてくるのだから、人間というのはつくづく欲が深い。家でも水道代とガス代だけで楽しめるものが、この値段。たしかに広い湯船にタオル&お昼寝場所付きは嬉しいけど……と思い始めたりする。正直に言おう、筆者はまさにこのタイプ。で、最初のルンルン気分に自分で水を差す。貧乏性を絵に描いたような展開を迎える。

 そこでにわかに浮上してくるのが銭湯だ。スーパー銭湯や日帰り湯には及ばない規模とサービス内容だが、よくよく考えてみると、これくらいがちょうどいい。大小さまざまな湯船やジャグジーも楽しいが、これはこれで「せっかくあるんだから入っとかないとソンかも」と湯船巡りをしているだけのような気がする。たとえるならバイキング料理。別に食べたいわけじゃないのだが、「あるんだからちょっとずつでも試しに食べとこ」と思ってお皿にちょびちょび乗っけるのと同じ。なければないで一向に困らない。そういうことである。

 風呂の縁に頭を乗せて身体を伸ばしてもお釣りがくるほど大っき~な湯船、身長の何倍もある高~い天井、足を伸ばしたたまま爪先まで洗える広~い洗い場、何をとっても自分の家の風呂は遠く及ばない。それが350円~470円で楽しめるわけである。そして、ここが一番大事。風呂掃除というやっかいごとから解放される。風呂には入りたい、けど風呂掃除は嫌いという人、実は相当数いるとにらんでいる。しかも何人か家族がいればまだしも、一人暮らしだったりするとシャワーのほうが断然経済的でもある。(一説によると二人まではシャワーのほうが安上がりらしい)その二点のみ考えても、老後の基本は銭湯通いと決めている。リラックス効果&掃除問題は言うに及ばず、安否確認にもなりそうだし、顔見知りとちょこっと話せば気分転換もできるし、なんとなく認知症予防にもなりそうな気もする。

 というわけで銭湯のススメ。広々した風呂場でゆるゆる身体を洗ったり、髪を洗ったり、熱くなったらイスに座ってボーッとしたり、なんだったら脱衣所に一度出てダラッと涼んでみたり。このユルダラ感は絶対に自宅では味わえない。そんなこんなで今日も銭湯でひとっ風呂。

(前原 雅子)

最終更新:9/2(金) 11:03

オーヴォ