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ホーム転落事故で視覚障害者「どうか声をかけてください」

NEWS ポストセブン 9/2(金) 11:00配信

 8月15日午後5時半過ぎ。1日の利用者が約11万人にものぼる東京・青山一丁目駅は、お盆真っただ中ということもあってか人がまばら。渋谷に向かう銀座線のホームで電車を待っていたのは15人ほどだった。その中に、盲導犬を連れた男性がいた。男性は右手に盲導犬のハーネス(胴輪)を持ち、なぜかホーム側に盲導犬を連れて、自身は線路沿いを歩いていた。

 このとき、ホームにいた整備員は、徐々に線路に近づく男性を見て、あわてて「白線の内側にお下がりください」との構内放送を行った。しかし男性は放送の甲斐なくそのまま線路に転落。ホームには盲導犬が残されていた。整備員はすぐに、ホームに迫ってくる電車を止めるため、非常停止ボタンを押した。

 ところが、それも間に合わなかった。亡くなった男性は品田直人さん(享年55)。この日が彼の55回目の誕生日だった。盲導犬のワッフルは助かった。

 事故から10日。本誌・女性セブン記者は現場を訪れた。それまで意識したことはなかったが、改めて気づくことが多かった。

 銀座線は1927年、浅草-上野間で運行された日本で最初の地下鉄で、青山一丁目駅が開業したのは今から78年前の1938年。ホームの幅は狭く、天井も低い。だからなのか、電車の音がこもってしまい、ホームに電車が進入するときの音は、他の駅よりもすさまじく大きく感じた。またニュースでもさかんに指摘されていた、点字ブロックが柱と重なっている点に関して、改めて確認してみると、柱の端から線路までは、1m20cm。両手が充分に伸ばせないほど幅が狭い。電車が進入している時に、白線の内側にあるこの点字ブロック上にいると、轟音とともにものすごい風圧を受け、恐怖を感じた。

 社会福祉法人『日本盲人会連合』の組織部長・藤井貢さん(63才)は外出の際は白杖を手にしているが、「地下鉄はすごく威圧感、圧迫感があり、恐怖だ」と言う。

「特に青山一丁目駅の反響音はすごい。自分側のホームに電車が入ったのか、反対側に入ったのかよくわからないこともあるほど」(藤井さん)

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最終更新:9/2(金) 11:00

NEWS ポストセブン

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