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ジャパンディスプレイに「技術流出」を心配する余裕はあるのか?~有機ELをめぐるサムスンとの戦い~ (多田稔 中小企業診断士)

シェアーズカフェ・オンライン 9/2(金) 5:00配信

8月30日付の日経新聞に、「有機ELシャープ秋波 戴社長『日の丸連合で』 Jディスプレイは技術の流出を警戒」という記事が掲載されました。

内容は、シャープの戴正呉社長が、次世代ディスプレイの本命といわれる有機ELパネルの開発・量産を、「日の丸連合」で行うべきとの考えを示した、というものです。具体的には、液晶大手で東芝・ソニー・日立のディスプレイ部門が統合してできたジャパンディスプレイ(以下JDI)との協業を念頭に置いているようです。

記事によれば、有機ELの開発で先行しているのは韓国勢で、サムスン電子はすでに年3億台分の量産体制を築いたそうです。これに対し、日本勢はシャープとJDIがそれぞれ量産化を目指していましたが、ここに来て技術開発や、2,000億円ともいわれる巨額投資の難しさに直面しています。そこで、負担とリスクを分散する意味から「日の丸連合」というアイデアが出てきたというわけです。

しかし、これも記事によると、JDI側はシャープの親会社である鴻海が自国の台湾でパネルメーカーを傘下に持つことから、技術流出を懸念しているようです。よってこの協業プランが実現するかどうかはまだ不透明です。

JDIは、日本メーカーが液晶パネル事業で韓国勢の軍門に降った結果誕生した会社と見ることもできます。次世代有機ELパネル事業でそのリベンジを果たすにはどうすれば良いのでしょうか。今回はそれを検証してみます。

■サムスンとJDIは“大人と子供”
まずは、彼我の差を確認するために、サムスン電子とJDIの財務諸表から両社の企業規模を比較してみましょう。なお、数字は2016年度第1四半期のもので、サムスンは1ドル=100円で邦貨換算しています。

売上高
サムスン:4兆1,421億円
JDI:1,743億円

総資産
サムスン:20兆722億円
JDI:8,833億円

純資産
サムスン:14兆8,375億円
JDI:3,488億円

差は歴然、財務力だけを比べれば、サムスンとJDIはまるで大人と子供です。有機ELパネルの開発と量産に2,000億円かかるのだとすれば、純資産が3,400億円強しかないJDIにとってそれがいかに過大な投資になるか、容易に想像がつくでしょう。

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最終更新:9/2(金) 5:00

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