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大林素子さんが「愛のムチ」。女子バレーは東京へ大型選手育成を急げ

webスポルティーバ 9/2(金) 14:26配信

 リオ五輪女子バレーボール、全日本は予選ラウンドを4位(2勝3敗)で通過し、準々決勝では世界ランク1位のアメリカと対戦してストレートで敗れ、ベスト8に終わった。2大会連続のメダル獲得を目標に始動したチームだったが、それを実現できなかった。その要因と、東京五輪に向けての課題や期待される選手について、4大会連続で現地での解説を務めた大林素子さんにお話をうかがった。

【写真】準々決勝で敗れ、涙を流すキャプテン木村沙織と山口舞

【profile】
大林素子(おおばやし・もとこ)
元全日本代表エース。180cmを超える大型選手でありながら、機動性のある攻撃とレシーブで長年全日本を牽引。ソウル、バルセロナ、アトランタの3大会で五輪に出場した。現役引退後は、解説者・タレントとして活躍している。


―― 初戦にして、最大のヤマと見ていた韓国戦で1-3と勝ち点1も取れずに敗れたことが、今大会の流れを決めてしまった気がしますが。

「韓国に敗れたことを、選手が思いのほか引きずりました。私自身も、初戦の韓国戦を勝てば、メダルに届く。負ければベスト8だろうと予測していました。

 日本の韓国戦のテーマは大エース、キム・ヨンギョンと、ヨンギョンの対角(パク・ジョンア)を崩していくこと。対角はうまく崩せてベンチに下げさせたところまではよかった。だけど、代わりに出てきた7番(イ・ジェヨン)が非常によくて。せっかく下げさせたのに、代わって入ったイ・ジェヨンにやられてしまった。

 入り(第1セット)は日本もよかったけど、代わった選手に流れを変えられて、日本はそれに対応できなかった。そして、やっぱり世界的なアタッカー、キム・ヨンギョンは圧倒的にすごかった」

―― 韓国は日本に勝ったあと、優勝したかのように喜んでいましたが、韓国にとってもあの試合は大きかったのでしょうね。

「韓国も日本と同じく、絶対に4位抜けは避けたいと思って初戦に懸けていたと思います。1位抜けは無理にしても、2、3位で予選を抜けたかった。4位になって相手グループの1位チームと当たるのはいやだったはず。

 日本は準備万端で臨んだから、余計に打撃が大きかったのかな。『切り替えます』と言って臨んだ、1日空いての第2戦は勝利しましたが、切り替えきれなかった。

 なんでこれできないの、なんで拾えないの、なんで打てないのって、解説していてもわからなかった。たとえば、石井(優希)が攻撃するのに、相手ブロックがつく……普段ならリバウンドなり、コースを打つなりしているでしょう。技術で説明できない、彼女たちのメンタルの萎縮がすごくて。選手たちは負の連鎖に陥ってしまいました。」

―― 格上のチームに1セットも取れていないという事実があります。さらに格下のチームにも勝つことはできましたが、どれも接戦でした。

「本当に切り替えられなかった。『たら・れば』を考えちゃいけないけど、『あそこで勝っていれば、3位になれたじゃない』というのを、選手も私も言わないけれど、みんな思っていた。

 韓国とやってダメな状態では、それより格上のブラジルやロシアとやったときにも、早いうちに『あっ、やっぱりダメか』とあきらめてしまっていた。巻き返せる強いものを持っている選手がいなかった。石井が崩れた、リベロが崩れた、拠りどころにしていた守りの部分が崩れたところで、上位と対等に組み合える材料がなかったんです。

 4つ(サーブ・レセプション<サーブレシーブ>・ディグ<スパイクレシーブ>・ミスの少なさ)の世界一、どれも達成できなかった。トップチームが、その4つのカテゴリーでも上位にいる。強豪チームが攻撃だけでなく、守備でもそれをクリアしちゃった。この4年間で、海外のほうが、進歩が早かったなと感じました」

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最終更新:9/2(金) 17:20

webスポルティーバ

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