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「改革派」神学の伝統に見出す“知の巨人”佐藤優のルーツ

Book Bang 9/2(金) 12:34配信

 書店にその著作を見ない日はないというほど、猛烈な勢いで執筆活動を続ける「知の巨人」が、そのルーツとなった改革派神学との出会いから今日に至るまでの信仰遍歴を、初めて詳細に語り尽くした。

 昨秋、行われた教会(日本キリスト教会大森教会)での青年向け講演会とディスカッション、その後の質疑応答とフリートークまでを余すところなく収録した一冊。同教会が発行する『教会員の生活』との併読がお勧め。

 これまでも『神学部とは何か』(新教出版社)や『同志社大学神学部』(光文社)など、折に触れて神学の有用性やキリスト教との接点について語ってきた著者だが、改めて「キリスト教徒であって日本人であるとはどういうことか」を問いかける。

 「キリスト教信仰(とりわけプロテスタント信仰)を持つ者は、他の宗教(宗派)の信仰を持つ人、あるいは信仰を持たない人よりも、この世界の現実をよりリアルに認識することができる」と著者。さらに、「いまこそ、危機の時代を背景に信仰と学知(体系知)を考察した神学者たちの知識を借り、その業績を追体験することが、日本の教会形成の手がかりとして求められている」とも。

 神学だけでなく、伝道、日曜学校、聖書翻訳、反知性主義、国際政治、沖縄問題に至るまで、その場で出されたすべての質問に、縦横無尽かつ簡潔明瞭に答えていく様は圧巻。

 歯に衣着せぬ物言いで、「関係者」にとっては耳の痛い指摘も多々あるものの、自信を失うニッポンの教会へ贈られた熱いエールとして聞かれることを望む。

[レビュアー] キリスト新聞社
「キリスト新聞」2016年8月13日号掲載

キリスト新聞社

最終更新:9/2(金) 12:34

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