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「真田丸」“犬伏の別れ”は不運な忠臣に注目!?

Smartザテレビジョン 9/3(土) 7:03配信

大河ドラマ「真田丸」(NHK総合ほか)9月4日(日)の放送では、“犬伏の別れ”が描かれる。関ヶ原の戦いを前に、真田家が西軍・東軍に分かれて戦うことを決める重要な場面だ。ところで、「“犬伏の別れ”といえば…」と、名前の挙がる一人の武将がいる。真田家の重臣・河原綱家である。綱家は、人払いをして行われた真田親子の密談をのぞこうとして、怒った昌幸が投げつけた下駄で歯を折ってしまうのだ。

【写真を見る】綱家が歯を失うシーンをキャッチ!

そんな綱家を演じる大野泰広は、なんと撮影開始前に行われたカメラテストから役をつかんだという。元お笑い芸人という経歴を持つ大野を直撃し、犬伏の別れの舞台裏や、同じく真田家重臣の矢沢三十郎頼幸を演じる迫田孝也との“ライバル関係”を語ってもらった。

――カメラテストへの参加がきっかけで出演が決まったそうですが、そもそもカメラテストとはどのようなことをするのですか?

カメラテストというのは、三谷(幸喜)さんが書かれた台本をどのように撮ったら面白いだろうかと、クランクインの前に代役を使って撮影テストをすることなのですが、’15年3月に、プロデューサーの家冨(未央)さんに機会をいただき、参加することになったんです。

NHKの監督さんにお芝居を直接見ていただく機会なんてないですから、「これは次につながるかもしれない」と。僕としては、最初からチャンスだと思って行ったんです。しかも、行ってみると、のちに真田家に仕える伏線なのか、堺(雅人)さんの役をやることになって。1日かけて5シーンくらい撮ったのですが、途中からはチャンスという考えも忘れて、純粋に主人公・真田信繁として「真田丸」を楽しんでしまいました。

実は、真田信繁の象徴・赤い甲冑(かっちゅう)も着させてもらいました。大坂の陣のシーンだったのですが、場所はNHKの敷地内、コンクリートの上で。近くにいた観光の方たちは、まだ放送を見ていないので「NHKの時代劇って、こんな昼間にコンクリートの上でやるのね!」って言いながら写真を撮っていましたが、「これは違いますよ!」とも言えず、少し申し訳なかったですね(笑)。

――いつごろ出演の話を受けたのですか?

カメラテストのときに、木村(隆文)監督から「1年あるから、どこかチャンスあれば一緒にやりたい」と言われていたのですが、さすがに大きな役ではないだろうと思っていたんです。それが夏の終わりくらいになって、マネジャーから「大事件です!」と連絡があって。そこで初めて、河原綱家さんという、名前のある役をいただけるかもしれないと聞きました。

――役が決まったときは、河原綱家のことを知っていましたか?

正直、最初は全然知りませんでしたから、すぐに調べました。やはり、“犬伏の別れ”のエピソードに行きつき、それをヒントに役を膨らませていった部分が大きいです。あれだけ「来るな!」と言われているのにもかかわらず、気になって気になって、のぞきに行ってしまうというのは、真田愛以外の何物でもないだろうなとか、こういう人は真面目で空回りしてしまうタイプかなと、考えて行きました。

あとは、プロデューサーが三谷さんと打ち合わせをしている中で、どんな話が出たかを聞き出して、自分の演技が間違っていないか確認しています。先日、「本当に信幸愛に満ちた役ですから、今の演技で間違ってないですよ」と言われたので、少しほっとしました。

――歯が欠ける演技は、やってみていかがでしたか?

実を言うと、本当に歯を抜こうと思っていたんです。実際に抜かれた俳優さんのエピソードも聞きますし、「僕にも、そういう役割が来たのかな」と思って。その気満々だったのですが、監督やスタッフさんに全力で止められました。「演技で見せてくれればいいですから」と言われて、それは逆にプレッシャーだったのですが(笑)。

歯が欠けた人のしゃべり方は、小山田茂誠役で出演されている声優の高木渉さんに相談したり、映画などで歯が抜けた人の演技を見たりして、工夫しました。

一度、長州小力さんの話し方が近いのではないかと思い至ったのですが、1日くらいやっていたら「そもそも舌足らずではないな」ということに気が付いて(笑)。それに、レコーダーで録音したら何を言っているのか全然分からないんですよ。それで小力さんは忘れることにしました。でも、ヒントにはなったと思います。

――欠けた歯はマニキュアを塗って表現されたそうですね?

本当は、歯が欠けたあとは手で隠すようにして話す予定だったのですが、スタッフさんが「歯用のマニキュアを用意したから、塗ってみようか」と言ってくださって。実際に使うつもりではなく、大泉(洋)さんに見せて驚かせるくらいのつもりで塗ったのですが、思いがけず監督も乗って、採用になったんです。

――初出演の大河ですが、出演されて周囲の反応はいかがですか?

もう、親戚が大喜びで「やっぱり、大河はすごいな」と実感しました。初登場が第5回なのですが、木村監督の愛情で、オープニングで大野泰広の名前を大きく出していただいたんです。親戚も知り合いも、そこで「わー!」と盛り上がったらしいのですが、放送が終わった後「おめでとう」メールが来るかと思ったら、「どこで出てたの?」というメールが殺到しまして(笑)。しっかりいたのですが、分かりにくかったみたいです。

最近では友達から、「真田家の行方と、おまえの出どころが分からない」とか「出ているか探し始めるとストーリーに入り込めないから、出るタイミングだけは先に教えて」とか冗談でひどいことを言われています(笑)。

――撮影に参加されてみて、いかがでしたか?

僕は、元々お笑い出身なんです。コンビでデビューして、途中からお笑いと並行して小劇場に出始めて、コンビ解散をきっかけに俳優に転向しました。そんな経緯もあって、ずっとコメディー、喜劇が好きで、いつか三谷さんの作品に出られないかなと思っていたのですが、実際に入ってみると出演者の豪華さに、一視聴者のような気持ちで共演者の方々を見ていました。最近になって、ようやく落ち着いてきた感じです。

――どなたとお話しすることが多いですか?

家臣として、信幸役の大泉さんのそばにいることが多いので、大泉さん。それから三十郎役の迫田さんとお話しすることも多いです。大泉さんは、一つ質問すると必ず、落ちの付いたショートストーリーで返してくれるんです。僕の事務所(マセキ芸能社)の後輩にもあまりいないタイプじゃないかと思います。

ご本人もお笑い好きで、「大好き過ぎて(お笑いは)やらなかった」そうです。今野浩喜さんや、ハマカーンの浜谷健司さんが現場に来ていると、ほかの俳優さんより大泉さんがはしゃいでいるので、本当に好きなんだろうなと思います。

――お笑いの話もされるのですか?

そうですね、大泉さんはウッチャンナンチャンが好きで、僕が二人の後輩ということもあって、ずっと内村(光良)さんのコントが好きという話を聞かせていただくのですが、実は僕、南原(清隆)さんと一緒にいることの方が多くて(笑)。

南原さんとは「現代狂言」という、コントと狂言を融合させた舞台をずっとやらせていただいているんです。そこで、和物の基礎をたたき込んでいただいたことが、この現場でも役に立っています。

――真田家が昌幸中心から信幸中心に移り変わっていく過程で、信幸に仕える綱家の出番が増えてくると思いますが、演技はどのように変わっていきそうですか?

綱家にも変化が生じるようですが、まだ決まっていないところも多いので、ただ信幸愛を深めながら準備しています。最近では、綱家と素の自分の気持ちがリンクするようなところもあって、撮影がないと不安で「ああ、(信幸の)そばに行きたい」と思いますし、撮影が決まると「来た!」と思えるんです。「今日は三十郎よりもそばにいるぞ。頼られている気がする!」と思ってみたり(笑)。

――やはり、三十郎役の迫田さんにはライバル意識がありますか?

まあ、ライバルですね。イベントで一緒になっても、もうあからさまにバチバチきますから(笑)。トークショーなんかは、本当にやりやすいですけどね。迫田さんは、ウケても、スベっても、どんどん前に出ますし、あれだけハート強い人もなかなかいないと思います。ただ、信幸さんのそばにいるときは、「私の方が!」という気持ちでいます。

――最後に、今後、綱家にこんな見せ場がほしいという希望は何かありますか?

三谷さんに届きますかね?(笑) ただ、実在の方なので「真田丸」を見た人に、こういう人がそばで支えたから、真田家が残っていったんだなと思っていただけたらうれしいです。なるべく最終回までいられたらいいですね。

あとは、迫田さんがやたら「僕が、(初回)オープニングの第一声ですから」とずっと言ってくるので、三谷さんにお願いできるとすれば“最終話の一番最後のせりふ”をいただきたいな。少なくとも、三十郎だけはやめていただきたい (笑)。最後に、松代城から町を眺めながら、信幸さんのそばにいられたらうれしいですね。

最終更新:9/3(土) 7:03

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