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乃木坂46が神宮3デイズで表現した“バースデーライブの意義” 各日のコンセプトを紐解く

リアルサウンド 9/3(土) 13:11配信

 乃木坂46が8月28日、29日、30日の3日間で『真夏の全国ツアー2016 ~4th YEAR BIRTHDAY LIVE~』を行なった。

 グループの持ち曲全曲を披露するというコンセプトのもと実施されている同ライブは、これまでの1日開催から、今回初めて3日間にわたるイベントになり、開催1日目では乃木坂46の「軸」を、2日目でグループの「幅広さ」を、3日目で「現在形と次の可能性」をそれぞれ提示した。ここでは各日のパフォーマンスで際立った部分を紹介していく。

 1日目は1stシングルから5thシングルまでの5作に、1stアルバムの楽曲を加えた構成。この期間は初期から5thシングルまで連続で表題曲のセンターを務めた生駒里奈が、名実ともにグループの顔だということを証明した期間の記録ともいえる。生駒の武器である表現力を最大限に引き出し、ライブでは毎回ハイライトに挙げられる「制服のマネキン」や、グループの代表曲として『NHK紅白歌合戦』でも披露された「君の名は希望」は、乃木坂46を語るうえで欠かすことのできない楽曲だ。また、現在はバースデーライブ以外ではめったに見ることのできない生駒のソロ曲「水玉模様」も目を引いた。

 そして、この日は、全国ツアーの大阪公演を最後に体調不良で離脱していた、グループを支える軸であるキャプテン・桜井玲香の復帰ライブでもあった。幕間でのさりげない声掛けやMCでの心地よい脱力感など、やはり彼女がいるといないではグループのカラーも大きく違う。彼女の復帰はそんな気づきを安堵の気持ちともにもたらしてくれた。

 グループの軸とは、なにも固定のメンバーのことだけではない。5thシングル曲の披露前に流されたVTRが表したのは、乃木坂46における“ライブ”の重要性だ。ここでは高山の「ライブをしている時間が一番アイドルでいられる」というコメントがビジョンに映し出されたが、実際このシングルには「ロマンティックいか焼き」「シャキイズム」「13日の金曜日」など、乃木坂46のアイドル性を強く打ち出すには欠かせない楽曲が並ぶ。5thシングルは、パフォーマンスにおける「軸」を作った作品でもあったのだ。

 白石麻衣が「1日目を超えるものにしたい」と開演前VTRで語って幕を開けた2日目は、6thシングルから9thシングルに2ndアルバムを加えた構成。この期間は白石麻衣、堀未央奈、西野七瀬と、センターがめまぐるしく交代し、グループにさらなるドラマをもたらした時期でもある。そんな環境の変化に応じ、白石がセンターとしてファッショナブルに夏曲を歌った「ガールズルール」、2期生として加入直後にセンターへと抜擢された堀が、当時の不気味さを楽曲でも表現した「バレッタ」、引っ込み思案な西野の持つ儚げな雰囲気が楽曲の切なさを引き立てた「気づいたら片想い」など、楽曲の性格もますます幅広いものとなった。

 楽曲の幅広さはセンターの交代だけにとどまらない。メンバーによるバンド・乃木團はこの日、齋藤飛鳥(Dr.)、川村真洋(Gt.)、中田花奈(Ba.)、和田まあや(Key.)、中元日芽香(Vo.)、能條愛未(Vo.)という布陣でお披露目された。深川麻衣・永島聖羅の卒業により、ファンからは存続を心配する声が少なくなかったが、和田の加入によるパフォーマンスで、ひとまずは継続の姿勢を見せた。また、8thシングルから実施されたアンダーライブは、これまで公演の少なかったメンバーの成長へとつながっており、目を引くものがあった「ここにいる理由」のフォーメーションダンスなど、グループに新たな色を注入する器を形作った。その結果、2ndアルバムに収録され、この日は“目隠しダンス”という高難易度のパフォーマンスで披露した「欲望のリインカーネーション」のような艶っぽさをあらわす楽曲も生まれた。

 「現在形と次の可能性」を示した3日目は、10thシングルから15thシングルまでの楽曲を披露。10thでは生田絵梨花が「何度目の青空か?」で初センターを、11thでは西野七瀬が激しいダンスナンバーに挑戦した「命は美しい」、そして生駒里奈が再びセンターへと戻り、この日は「神宮ぅー!」という強烈なシャウトとともに披露された12th「太陽ノック」と、この期間もセンターは次々と変化していた。13thシングル表題曲「今、話したい誰かがいる」では、Wセンターという概念も誕生し、14thシングルの活動をもってグループを卒業した深川麻衣が最初で最後のセンターを務めた「ハルジオンが咲く頃」では、彼女を心から慕う川後陽菜が真ん中に立ち、深川のソロ曲「強がる蕾」は全員による合唱で歌い上げられるというサプライズも。

 そして「現在地」である15thシングルパートでは、生田のソロ曲であり、ミュージカルテイストの「命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」」、松村沙友理率いる“さゆりんご軍団”による「白米様」、白石のソロ曲「オフショアガール」、伊藤万理華と井上小百合の2人による「行くあてのない僕たち」など、様々なふり幅の楽曲を披露。最後は1日目、2日目にも披露していた「裸足でSummer」を、新センター・齋藤飛鳥が透明感のある爽快さで歌い上げ、グループのこれからを担っていく存在としての力量を見せつけた。

 10thシングルから15thシングルを語るにあたって、欠かすことのできないのが「次の可能性」の台頭だ。新センターとして活躍中の齋藤飛鳥と、同じく次世代を担うとされている星野みなみによる「制服を脱いでサヨナラを」や、元研究生メンバーによる「ボーダー」や新ユニット・サンクエトワールによる「大人への近道」など、若手メンバーを中心に据えた楽曲が多く、これからの乃木坂46に期待を抱かずにはいられないパフォーマンスを見せてくれた。井上小百合、中元日芽香、堀未央奈、樋口日奈と、センターが次々に交代したアンダーメンバーの変革期もこのタイミング。1日目、2日目では選抜卒業生のポジションを担当することの多かった北野日奈子や寺田蘭世の台頭も、先述のサンクエトワールや各アンダー曲のフロントでみることができた。

 これまでの1日開催から3日間連続へと形を変えたバースデーライブは、それぞれの日がグループの歩みを振り返りながら、その先への期待を抱かせてくれるような内容だった。今後も楽曲が増加するたびに、バースデーライブの形は変化し、総公演時間は長くなる。今回は会場の都合で夏に振替となったが、「キャリアを積むほどにグループの力量が試される」という楽しみ方はこれからも続くだろう。次回以降の演出にも期待したい。

中村拓海

最終更新:9/3(土) 13:11

リアルサウンド

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