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【セリエA移籍市場総括】ユーベの大補強が際立ったカルチョメルカートの“勝ち組”と“負け組”

SOCCER DIGEST Web 9/3(土) 9:42配信

文句なしの“一人勝ち”補強を成し遂げたユベントス。

 例年通り、8月31日午後11時(現地時間)にクローズされたイタリアのカルチョメルカート。タイムリミットぎりぎりになって駆け込み移籍が成立したり、逆に最後でドタキャンを喰らったりという悲喜劇が展開されたところも毎年恒例だ。
 
 ここでは主要5クラブを「勝ち組」と「負け組」にばっさりと切り分けて、個別に見ていくことにしよう。
 
――◇―――◇――
 
【勝ち組】ユベントス
 
 直接のライバルであるナポリから昨シーズンの得点王ゴンサロ・イグアイン、ローマから崩しの切り札ミラレム・ピャニッチを、契約解除金を支払って有無を言わせず引き抜くという剛腕を見せつけただけでなく、バルセロナからダニエウ・アウベスを移籍金ゼロで獲得して、戦術上で鍵になる3つのポジションでクオリティーを上乗せした。
 
 ポール・ポグバを史上最高額1億500万ユーロ(約126億円)でマンチェスター・Uに売却したことで、収支もほぼプラスマイナスゼロ。さらにマルコ・ピアツァ(←ディナモ・ザグレブ)、メディ・ベナティア(←バイエルン)、ファン・ギジェルモ・クアドラード(←チェルシー)の獲得で控えの層も厚みを増した。
 
 もしここに、メルカート最終日にメディカルチェックまで済ませていたベルギー代表MFのアクセル・ヴィツェル(ゼニト)の獲得まで決まっていれば、100点満点の補強だった。だが、クローズまで残り数時間になったところで、ゼニトのミルチェア・ルチェスク監督が、「後釜が見つからない」という理由で拒否権を行使し、99パーセント決まっていた移籍がドタキャンとなったのだ。
 
 それでも、質と量の両面で戦力が大幅に上積みされたことに変わりはない。セリエAで孤高の地位を築いたことはもちろん、CLでもベスト4、そしてその先を見据えるに十分な陣容が整った。文句なしの一人勝ちである。
 

2016年夏のメルカートで新天地を求めた主な選手たちまとめ

札束で顔を引っ叩かれるように大黒柱を引き抜かれたナポリ。

【負け組】ナポリ
 
 昨シーズン、セリエA記録の36得点を挙げた大黒柱イグアインをユベントスに放出。それも、9000万ユーロ(約108億円)の札束で顔を引っ叩かれるような形で引き抜かれるという屈辱にまみれたものだった。
 
 その上、その後釜として狙いを定めたマウロ・イカルディ(インテル)、ニコラ・カリニッチ(フィオレンティーナ)の獲得にも失敗。アヤックスから先のEURO2016で株を上げたポーランド代表FWのアルカディウシュ・ミリクを獲得したものの、イグアインの穴を埋めきれないままメルカート閉幕を迎えたことに変わりはない。
 
 中盤にはイタリア代表エマヌエレ・ジャッケリーニ(←ボローニャ)、ポーランド代表ピオトル・ジエリンスキ(←エンポリ)、クロアチア代表マルコ・ログ(←ディナモ・ザグレブ)、そして昨シーズン、ボローニャでブレイクした18歳のアマドゥ・ディアワラと、タイプの異なる4人のMFを獲得した。
 
 最終ラインにも、ロレンツォ・トネッリ(←エンポリ)、ニコラ・マクシモヴィッチ(←トリノ)を加えて、セリエAとCLの「二足のわらじ」に対応できる戦力的な厚みを確保したのはプラス材料だが、ユベントスの対抗馬一番手にはなれても、スクデットには手が届かないだろう。
 
【負け組】ローマ
 
 こちらも、ユベントスの札束攻勢でピャニッチを引き抜かれたうえ、その後釜に狙っていたボルハ・バレロ(フィオレンティーナ)の獲得に失敗。チャンピオンズ・リーグ(CL)プレーオフでポルトに敗れて本戦出場を逃し、UEFAからの分配金(最低3000万ユーロ前後)を見込めなくなって予算の目途が立たず、移籍交渉にブレーキが掛かったのは痛手であった。
 
 それだけでなく、CLプレーオフ敗退のショックでチームを取り巻く空気が一気にネガティブになったことも大きなマイナスだ。この悪い流れをできるだけ早く断ち切らなければ、負のスパイラルに陥る危険もある。
 
 慰めは、膝の故障でほぼ2シーズンをまるまる棒に振ったオランダ代表主将のケビン・ストロートマンが復帰し、早速質の高いパフォーマンスを見せていることだろう。
 
 ブルーノ・ペレス(←トリノ)、トーマス・ヴェルメーレン(←バルセロナ)など5人のDFを獲得し、最終ラインの再構築と世代交代に成功したことも評価できる。ナポリと2位を争うだけの戦力はあるが、今シーズンもおそらくそこまでだろう。

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最終更新:9/3(土) 14:49

SOCCER DIGEST Web

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北朝鮮からの脱出
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