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発売から20周年を迎えたポッカサッポロの『じっくりコトコト』が目指すスープ革命

@DIME 9/4(日) 11:30配信

 ポッカサッポロ フード&ビバレッジが発売しているスープ『じっくりコトコト』が、今年で発売20周年を迎えた。これに合わせ、同社は『じっくりコトコト』シリーズの箱入り、カップ入り、缶で新商品の投入や刷新を図るほか、新タイプのレトルトパウチを追加し、8月から発売を開始した。また、「UPGRADE YOUR LIFE」というメッセージを添えたブランドの新たなコンセプトマークも制定・発表した。

■約10年で2.2倍成長

 そもそも、同社がスープ事業に参入したのは1980年のこと。前身のポッカコーポレーションが、レモン、コーヒーに次ぐ新たな事業として始めたものだった。2013年1月にサッポロ飲料と経営統合してからは、現在のポッカサッポロ フード&ビバレッジとして事業を展開している。

 スープ事業への参入は決して早かったわけではなかった同社だが、市場での位置づけをドメイン別で見ていくと、後発とは思えないほどの存在感を発揮している。箱入りでは圧倒的トップの味の素に次ぐ業界第2位、カップ入りでは味の素を抜いて業界第2位となり、トップのエースコックに肉迫するところまできた。そして缶(即飲タイプ)では業界トップに君臨している。売上は年々伸びており、出荷ベースの金額で見ると、2015年は2006年より1.8倍伸びているという。

 着実に成長を続けているスープ事業の中で、『じっくりコトコト』は中核ブランドとして位置づけられている。「大人が満足できる、ちょっと贅沢なスープ」をコンセプトに誕生した『じっくりコトコト』は、1996年の発売当初、『じっくりコトコト煮込んだスープ』という長いネーミングで話題になり、あっという間に認知される。その後、毎年のように新商品を発表し、2009年にブランド名を現在と同じ『じっくりコトコト』に刷新して現在に至っている。出荷ベースの金額で見ると、2015年は2006年に比べて2.2倍成長。先に示したスープ事業全体の伸びよりも、大きく伸びているほどだ。

 こうした状況で発売から20周年を迎えた『じっくりコトコト』だが、発売当初と現在では社会が異なってきており、ライフスタイルや価値観が変化してきている。こうしたことに対応するため、『じっくりコトコト』も変化を模索することにした。執行役員マーケティング本部長の大槻洋揮氏は、次のように話す。

「市場、顧客が現在進行形で変化してきている中で、『じっくりコトコト』が20年で培ったエクイティー(資産価値)を使いながらさらに進化していくために、何ができるかを真剣に考え、次の20年に向かって新たな領域に進出することにしました。新たに20周年のコンセプトマークをつくり、今後のブランドコミュニケーションに活用しながらお客様との絆を深めていけるようなマーケティングをしていきたいと思っています」

■あなたの毎日をUPGRADEするスープ

 ブランドにとって記念すべき年に、同社は社会の変化に追随することを明確にしたわけだが、では、どのよう変わっていくことにしたのであろうか? ヒントは、コンセプトマークに使われている“UPGRADE”。ブランドメッセージを「あなたの毎日をUPGRADEする濃厚とろ~りなコク深スープです」とし、箱入り、カップ入り、缶、レトルトパウチのそれぞれに、次のようなメッセージを込めることにした。

箱入り:大人の朝をUPGRADE
カップ入り:いつものランチをUNGRADE
缶:カラダがあったまるをUPGRADE
レトルト:一人のディナーをUPGRADE

 それぞれが主に使われる食シーンと絡め、『じっくりコトコト』が従来よりUPGRADEすることで、食事が楽しく、ワクワクするものになるということを伝えようとしている。マーケティング本部スープ戦略グループリーダーの黒柳伸治氏は、「朝、昼、晩と、スープがある食シーンに『じっくりコトコト』が出てくることがあると、いつもの食事がちょっと嬉しくなった、ちょっとワクワクした、ちょっと楽しみが増した、というようなブランドにしていきたいし、そういう価値を提供していきたい」と話す。

 そうなると、カギを握るのは、新商品の発売や既存商品のリニューアル。『じっくりコトコト』が従来からどれだけUPGRADEしたかを、明確に示す必要がある。この点に関しては、同社は気合いを見せたと言ってもいい。

■初登場のレトルトパウチは3種投入

 まず何よりも力を入れたのが、レトルトタイプの『じっくりコトコト ご褒美Dining』の追加だ。既存の箱入り、カップ入り、缶に比べてリッチな印象がするレトルトタイプで、〈贅沢コーンポタージュ〉〈海老の濃厚ビスク〉〈香り芳醇きのこポタージュ〉の3種を8月22日に発売する。

 レトルトタイプを新たに追加した背景には、社会の変化により個食化の進展や時短調理のニーズ増大がある。こうした背景から、中食や加工食品を利用した夕食の外部化率が向上。加工食品などをうまく使いながらスピーディーに調理し夕食を食べるというスタイルが、これから先も拡大していくことが予想された。しかし、時短調理が求められているとはいえ、1日の終わりの夕食は一番贅沢な食事。夕食でインスタントスープを食べるとしたら贅沢感が欲しいところだが、粉末インスタントには贅沢感は期待できない。夜の食シーンにインスタントスープが広まるには贅沢感が欠かせないことから、レトルトの『じっくりコトコト ご褒美Dining』が登場することになった。

『じっくりコトコト ご褒美Dining』は電子レンジ対応パウチを採用し、調理が簡便で時短が可能。その上、粉末スープにない素材感や濃厚な味わいが堪能できる。それもそのはず、〈贅沢コーンポタージュ〉ではスーパースイートコーン、〈海老の濃厚ビスク〉ではオマール海老、〈香り芳醇きのこポタージュ〉ではフランス産マッシュルームを使用。素材からして違うのだ。〈海老の濃厚ビスク〉を試食したが、海老独特の濃厚な旨味がよく出ており、レトルトスープとしてはよくできている印象を持った。

■カップ入りは全品リニューアル+新作3種投入

 また、カップ入りの『じっくりコトコト こんがりパン』も全面リニューアルする。カップ入りは、濃厚とろ~りで贅沢なスープにボリュームたっぷりの焼成パンの組み合わせが特徴で、パンからしみ出す濃厚スープの美味しさと、焼成パン入りによる腹持ちの良さが支持されてきた。2002年の発売後、スープを脇役から主役に格上げするのに貢献したが、8月22日に、定番の〈コーンポタージュ〉〈クリーミークラムチャウダー〉〈完熟かぼちゃポタージュ〉〈北海道じゃがバターポタージュ〉〈きのこ香るクリームポタージュ〉の中身とパッケージを刷新したものと、秋冬の新メニューである〈海老のクリームビスク〉〈バジルチキンのクリーミーポタージュ〉〈1/3日分の野菜のトマト&チーズポタージュ〉を発売する。パッケージには「濃厚スープがパンからじゅわ~」というコピーを添え、パン入りスープでないと提供できない価値を明確に打ち出す。

 中身についてはリニューアル品、新メニューともに、基本的には多くの具材を使うと同時に、濃厚感のアップを狙った。具材の多さと濃厚感がもたらすリッチな味わい、そして特徴である焼成パンがもたらすボリューム感により、従来品より間違いなくUPGRADEした。

■缶は〈海老のビスク〉を新発売

 缶については、〈つぶ入りとろ~りコーン〉と〈濃厚オニオンコンソメ〉を引き続き発売するのに加え、〈海老のビスク〉を10月17日から追加する。それまでの缶スープは、体を温めたり小腹を満たすために飲まれていたが、食事に合わせられる本格的なものへのニーズが高まってきたことから、最近支持の高い〈海老のビスク〉を投入することにした。単に体を温めるだけではなく、ランチにプラスすればワンランク上の食事が楽しめるものにUPGRADEした。

〈海老のビスク〉の特徴は、リシール缶を採用したこと。他の缶スープと違い、リシール缶を採用したのは、女性をターゲットにしているため。プルタブと違いネイルを傷めることがなく、リキャップもできるので、飲み干せないときはフタをすることができる。リシール缶の採用は、同社が缶コーヒー『アロマックス』を発売してきた流れから得られた知見を生かした。女性にとって便利で取り回しやすいということを、訴求していくという。

■箱入りは新作3種の投入と〈黄金のコーンポタージュ〉の再登場

 そして『じっくりコトコト』のブランドイメージをけん引してきた箱入りは、大人の朝をUPGRADEすることができるものとして、〈海老の贅沢ビスク〉〈ブロッコリーチーズポタージュ〉〈マンハッタンクラムチャウダー〉の3種を8月22日に発売する。〈海老の贅沢ビスク〉と〈マンハッタンクラムチャウダー〉は従来品をリニューアルしたものになる。

 また箱入りについては、8月1日に〈黄金のコーンポタージュ〉を発売。昨年秋に北海道の空港やホテル、観光施設などの土産物店と同社通販サイトで数量限定販売されたものを、パッケージを変えて再登場させた。北海道産のこだわり素材を使った、既存のコーンポタージュより美味しさや価値をUPGRADEさせたもので、使われているコーンは生色でも食べられる芽室町産の「ゴールドラッシュ」。今回も、販売は昨秋とほぼ同様、北海道内の空港やホテル、観光施設などの土産物店や同社通販サイトなど一部のネット通販のみで、数量も限定。興味のある方は急いで買い求めた方がいい。

 ややもすると単調になりがちが毎日の食事。どうにかして変化をつけ、少しでもUPGRADEしたいと考えている人も多いことだろう。そういう人は今年の秋以降、『じっくりコトコト』をチョイスしてみてもいいかもしれない。

文/大澤裕司

@DIME編集部

最終更新:9/4(日) 11:30

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