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黒田から殊勲の2打点、西浦「2軍で課題を与えられてきた。逆転CSへ」――東京ヤクルトが野手育成に長けた理由

ベースボールチャンネル 9/4(日) 10:20配信

高校時代から注目の打者

 逆転CSを狙う東京ヤクルトスワローズが3-1で広島東洋カープに競り勝った。

 広島の先発が日米通算200勝を挙げている黒田、ヤクルトはデイビーズという中で始まった試合だったが、接戦を制したのは大卒3年のホープ西浦直亨のバットだった。

 1回表、デイビーズがいきなり先制点を許すが、東京ヤクルトに3回裏得点のチャンスが訪れた。

 先頭の坂口智隆が四球で出塁すると、続く荒木貴裕が左翼前安打で続く。3番・山田哲人が四球で歩き、無死満塁と好機を広げる。4番のバレンティンは三振に終わるも、5番の鵜久森淳志が三塁ゴロの併殺崩れで同点に追いついた。

 そして、ここで打席に入ったのが西浦だった。
 西浦はカウント1-1から黒田のシュートを右翼前にきれいにはじき返し、貴重な勝ち越し点を挙げた。

 さらに西浦は5回裏にも、2死1、2塁で打席に立つと、今度は黒田のフォークを合わせて三遊間を突破。1点を追加し3-1とする。
 2点のリードを、7回までデイビーズ、その後はルーキ、秋吉亮とつないで、接戦をものにした。

 殊勲打の西浦といえば、ルーキーイヤーの2014の開幕戦。いきなり決勝3点本塁打を放ってド派手なデビューを飾った。しかし、その後は伸び悩んでいた。

 天理高時代に、神宮、春・夏の甲子園に出場。高校3年夏の県大会で8割近くの打率を残したことから、プロ志望届を出していたなら、高卒でのプロ入り指名もあったと噂されたほどの逸材だった。

 しかし、プロへは進まず法政大学へ進学。東京六大学で研鑽を積み、2013年のドラフト2位指名を受けて入団した。背番号は「3」。期待を受けての入団だった。

 この活躍でレギュラーは安泰とは言えないが、野手の育成に長けているヤクルトで、すくすくと伸びてきた選手の一人といえるだろう。


 西浦に直撃取材をしてみた。

西浦「1軍で出るために何をすべきかを2軍で考えさせられる」

――今年はバッティングの向上が著しい。

 そうですね。1年目、2年目、3年目と段々と良くなってきているかなと思います。

――これまでと違った感覚がある。

 スイングの力強さも出てきたのもありますし、試合中でも、打席の中で、どういう風に打っていこうかと、選択できています。大学時代は調子がいい時はそれでよかったんですけど、そうじゃないときのバッティングは悪かった。何でもかんでもフルスイングしていました。今は整理できています。

――元々ヤクルトは野手の育成がうまいと評判です。ご自身で感じるところはありますか。

 競争が激しいと思いますし、いい刺激をしあえます。1軍で出るために、何をしないといけないかというのを考えさせられて2軍で過ごすことができるので、そういうのが大きいと思います。

――1軍から2軍に降格するときはコーチからテーマを伝えられるんですか。

(2軍に)落ちたときに、なぜ、落とされたのか。首脳陣の方からは何が課題なのか伝えられる。それは大きいですね。だから、2軍でカンカン打つことも大事ですけど、それよりも、1軍に行けば、どういう場面で、どんなプレーが必要か、考えて取り組むようになります。何かができて、何かができないというのがあると1軍ではやれない。テーマをもってやれている。

――チームにはたくさんの手本もありますね。

 そうですね。右バッターやと、(山田)哲人を見ていますし、畠山さんからもアドバイスをいただいています。手本を見ながら、また、話を聞いたりして、参考にしながらやっています。

――山田は1学年下になるけど、やはりすごい選手ですか?

 すごい選手なのは分かっているんですけど、そこで終わらせてしまってはいけないと思います。そこに近づかないと。何かを持っているから、あれだけ成績を残せていると思うので、参考にできるところはしないといけない。

――今日の試合では2本のタイムリーと結果が出ました。

 少しは、存在感を出せるようにはなってきたかなと思います。

――相手投手は日米通算200勝の黒田投手でしたが、名前負けしなかった。

 相手投手が誰だからとか、余計なことは考えてはいないです。

――3年目になって危機感はありますか?

 それはずっとありました。背番号「3」を付けさせてもらっていますし、結果を残さないと、切られる世界ですからね。

――途中出場やいきなりのスタメンにも慣れてきたように思えます。

 途中から出たからとか、試合には少ししか出してもらえないから打てなかったとかいっていたら、この世界では残れない。どんな時にもベストなプレーができないといけないと日ごろから心掛けるようにしています。

――今日の試合では1打席目は変化球を凡打したのに、3打席目は変化球をタイムリーにしました。

 実際は、ラッキーなところもありました。飛んだコースが良かったので、内容的にはまだまだです。

――しかし、変化球に対して、違う結果を出せました。

 そうですね。でも、3打席目に関しては、ホンマ、カウント負けもしていましたし、追い込まれて何とかくらいついていただけです。実際、打ったのはボール球やし、見極めていいけるようにならないと。

――2打席目のタイムリーも完璧でした。

 しっかり打てましたね。

――試合中は相手が黒田さんとかは考えないと思いますけど、結果を振り返って、黒田さんから打てたというのはいかがですか

 今までTVで見ていた選手の方との対戦ですから、自分も同じ舞台にいるので(打てたことは)自信になりましたけど、それがおごりにはなってはいけないという想いはあります

――CSに向けて、可能性があります。

 チャンスがある限りは、しっかりと目指していきたいですね。



氏原英明

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:9/4(日) 12:49

ベースボールチャンネル

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