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【ロードバイク情報】ビンディングペダルの草分け「タイム」インタビュー

CYCLE SPORTS.jp 9/4(日) 9:32配信

スポーツ・マーケティングマネージャーのボワイエ氏は元プロ選手

筆者も愛用しているタイムペダル。ヒザへの負担が少ない、その独創的な機構はいかにして誕生したのか。来日した当時のテストライダーへインタビューを試みた。

サイクリングを趣味とする人にとって、高い普及率を誇るビンディングペダル。そのルーツをひもとけば、タイムのペダルを開発したジャン・ベイルの存在を抜きに語ることはできない。スキーで転倒したときに板が自動的に外れる「ビンディングシステム」を考案した彼は、その機構が自転車競技にも応用できるのではないかと考えた。当時はフランスの自転車メーカー「ルック」で技術者として働いており、同社のビンディングペダルの礎を築いた。

だが、ベイルはさらなる理想的なペダルの開発を実現すべくルックを辞め、タイム社を設立。彼の理想を実現したシステムが「フローティング」機構だ。他社のビンディングペダルは、つま先を支点として足を扇状にしか動かすことができない。タイムのペダルはこの動きに加えて、左右水平方向にもわずかに動きの自由を持たせている。これにより各関節への負担を減らすことができるのだ。

取材当日は、このペダルの開発初期段階から、ずっとテストライダーとして関わり続けている元プロ選手エリック・ボワイエがゲストとして登場。88年のツール・ド・フランス総合5位になった経験のある彼に、当時を振り返ってもらった。

「初めてタイムのプロトタイプを渡されたとき、まずは使ってみてくれ。いろいろなシチュエーションで走ってテストしてほしいと言われました。フロートするけれど、パワーが逃げないところに驚いたのを覚えています。とてもポジティブな印象でした。

なぜかというと、フィーリングがとても良かった。足裏の広い範囲が、ペダルとコンタクトしていると感じられたからです。また、当時の主流であったストラップでシューズとペダルを固定する方式から移行したわけですが、フロート機能があるおかげでスムーズに移行できたと思います。不安がなかったか? 私は11年間プロとして走りました。そのうち10年タイムのペダルを使っていましたが一度も故障に悩まされることはありませんでした。それが答えです」。

今回、ペダルの最新シリーズであるエクスプレッソのエントリーモデル「1」が登場。各機能はそのままに、ぐっと価格を抑えたモデル。最初のビンディングペダルとして。また、フローティングシステムを試したいと思っていた人はぜひ。

また、クリートも新型として「固定」モデルが登場。先に説明したようにタイムのペダルというと独自のフロートシステムが魅力だが、このクリートはかっちりと固定するタイプ。

登場した理由は、トッププロからは固定クリートの要望が出てきたというのが大きい。スプリントで最後の数メートル、数センチを争う時にやはり動かないほうがいいという。また、他社から移ってきた選手が固定クリートで慣れている場合、それが使えないのは困ることがあるなど、トップレースシーンからのフィードバックにタイムが応えたかたちだ。

中島丈博

最終更新:9/4(日) 9:32

CYCLE SPORTS.jp

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