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樹海の中でホラーを観るーー『fuji_jukai.mov』試写ツアーレポ ニコ生では9月5日に先行試写も

リアルサウンド 9/4(日) 18:05配信

 富士の樹海で発見されたという1台のスマートフォンに残された、とある女子高生3人の奇妙な記録映像を、樹海に関わる人々の証言を交えつつ映像化したドキュメントホラー『fuji_jukai.mov』(2016年秋より全国公開)。その先行試写が、明日9月5日の22時よりニコニコ生放送にて、3000人限定で行われる。

 また、8月28日には『fuji_jukai.mov』を、夜の樹海にて鑑賞する特別試写会ツアーも行われた。当稿では、その日の様子をレポートしたい。

 午後2時、お祓いのため東京・赤坂の豊川稲荷を訪れると、すでに参加者が集合していた。今回、ツアーに参加するのは、MCを務める“怪談芸人”井下好井の好井まさおとシーケンスのはやとも、ゲストであるジミー大西、元NMB48の高野祐衣、元Pajama Farm√13の崎野萌、ハヤリスタリ純情×3の石原愛理、桐谷美佐、來、これにスタッフを加えた10数名。本殿にて全員しっかりと御祈祷をしたものの、女性陣は早くも不安そうな表情を浮かべている。

 バスに乗って出発すると、さっそくMCのふたりが自己紹介を兼ねて、“霊感”についてのトークを開始。なんでも、はやともは霊感が強く、霊が憑いているかどうかがすぐにわかるとのこと。ちなみにジミー大西には、60歳手前くらいのおじさんの霊がふたり憑いているそうだ。芸能人は人前に立つことが多いために霊が憑くことが多いが、それは決して悪いことではないらしい。また、ハヤリスタリ純情×3の桐谷美佐と來も霊感があるとのことで、特に來は宇宙人(!?)も見たことがあるそうだ。真偽のほどは定かではないが、夏の肝試しをより涼しくするメンバーが揃っているのは間違いないだろう。

 東京を離れて約2時間、樹海周辺の国道を走っていると、道沿いに一人の男性の姿があった。『fuji_jukai.mov』でもインタビューに応えている、樹海探検家の小野俊之さんだ。今回のツアーでは、樹海にまつわる様々なエピソードを披露してくれるとのこと。合流した小野さんは、さっそく樹海にて遺体を発見した時の体験談を話し出す。「もう数えるのをやめてしまったんですけれど、これまで約30体くらいの遺体を発見してきたと思います。多い時は、1日に3体見つけてしまったりとか。ほとんどの遺体は白骨化してバラバラになっているので、たとえば首吊り自殺だったら、木に輪っかがぶら下がっていて、その下に骨が散乱している感じです。遺体はすぐに腐敗するので、アリやハエなどの昆虫たちが食べてしまいます。50~60代の男性の自殺者が圧倒的に多くて、おそらくリストラなどを苦にしているのでしょう。遺品が見つかることもあって、私が見た中で一番切なかったのは、ボロボロの木箱に入っていた『メリークリスマス、大好きだよ』と書かれたカードですね」

 小野さんの貴重な体験談に耳を傾けていると、バスは樹海側の休憩所へ。駐車場には一台の軽トラックが停まっていたが、小野さんによるとそれは放置車両で、もう何年もそのままの状態とのこと。持ち主はおそらく樹海に入ったきりなのでは、と小野さんは言う。樹海入り口では、自殺スポットとしての説明だけではなく、本来の自然の美しさなどについても触れられるが、曇天の不気味さも相まって、メンバーの顔は決して明るくはない。そのままのテンションで、一行は民宿「樹海荘」へと向かった。

 樹海荘では、おかみさんが東京から来た我々を笑顔で迎えてくれた。彼女たちは作中でも貴重な証言をしているので、ぜひ注目してほしい。座敷の大広間には、樹海荘のご厚意でお菓子が用意されていて、子どもの頃の夏休みに公民館で映画を観たときのような郷愁にかられる。樹海の中というシチュエーションも、緊張感と期待を高める。筆者の隣には、崎野萌が座っていて、お菓子を食べながらも神妙な面持ちで上映を待っていた。北九州のご当地アイドルグループであるPajama Farm√13を卒業して、つい最近、女優を目指して上京してきたばかりだそう。

 部屋の電気が消され、いよいよ『fuji_jukai.mov』が上映された。本作は、「富士の樹海」を題材にしたテレビ番組のロケ中に、偶然見つかったとされるスマートフォンに収められた映像を軸とした作品で、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に代表されるPOV方式を、現代の日本でアップデートしたような作風がポイント。自殺願望を持つアミ、人が死ぬ瞬間が見たいというヒナタとみーたんという、SNSで知り合った女子高生3人が、樹海へと足を踏み入れるところから物語は始まる。要所には、実際に樹海に関わる人々による証言が挿入されていて、とても生々しい仕上がりだ。途中、感想を聞かれたハヤリスタリ純情×3のメンバーは、「ここにいるだけで寒い」「さっき樹海の入り口を見てきたばかりだから、すごくリアルに感じる」などと、それぞれコメント。崎野萌は、「これって本当にあったことなんですよね? どうしよう、怖い」と、恐怖を露わにしていた。

 予想外の結末を迎えた本作の上映後は、参加者全員が呆然とした表情を浮かべていた。感想を聞かれたジミー大西は、「見てはいけないものを見てしまった感じ。今晩、一人きりで過ごすのが怖いです。人間不信になっちゃう」と、高野祐衣は、「見終わったあとも重たい。想像を覆される展開で、しかもリアリティがある。ホラー映画は嫌いじゃないけれど、これまでに感じたことのない怖さがあって、もう森には入れなくなる」と、それぞれの印象を明かした。劇中でも証言をしている小野さんは、「森の中で見つける遺品は、わたしも樹海で見たことがあるようなものばかりでした」とコメントするとともに、「樹海は本来、とても美しいところですが、自殺はそうではありません。この作品が樹海での自殺の抑止につながり、多くの人が自然の美しさに目を向けてくれるようになれば」と、期待を述べた。

 本作をいち早く観たい方は、明日9月5日の22時より開始されるニコニコ生放送の先行試写をチェックしてほしい。

リアルサウンド映画部

最終更新:9/4(日) 18:05

リアルサウンド