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「ディーゼル車のような本田圭佑」が 控えでもミランに残留した理由

webスポルティーバ 9/4(日) 19:26配信

 それにしても、本田圭佑がプレーしているゲームとは、なんなのだろうか? 

 もちろん彼がサッカーをプレーしているのは知っているが、彼の振る舞いを見ていると、それ以外の別なゲームもプレーしているのではないかと疑いたくなる。例えば、わざと自分を窮地に追いやってみたり、限界まで我慢をしてみたりといったゲームを......。

【写真】ミラネッロで練習に打ち込む本田圭佑

 本田はミランの完璧な中心選手となったこと、つまり不動のレギュラーとなったことはこれまで一度もない。ただしクラレンス・セードルフからクリスティアン・ブロッキまで、すべての監督のもとで、それなりの地位を確立はしてきた。

 ところが今回ばかりはどうやら勝手が違いそうだ。ヴィンチェンツォ・モンテッラも前任者たち同様、本田を評価し、リスペクトもしている。ただ、彼は本田を見てはいない。構想の外にある。本田はモンテッラのサッカーに向いたタイプの選手ではないのだ。本田はたとえていうならディーゼル車だ。調子が出るまでに時間がかかるし、スピードも出ない。ただし目的地には必ずたどり着く。

 しかし、モンテッラが愛するのはスポーツカーだ。スプリントがきいていて、ちょっとクレイジー。例えばスソのように、ハットトリックを決めたと思うと、そのあとはさっさと消えてしまうような選手だ。もしくはマティ・フェルナンデス。モンテッラがどうしてもほしくて、メルカートの閉まる最後の最後にミランが強引に介入し、カリアリから横取りした選手だ。余談だが、この獲得劇は今後に禍根を残すかもしれない。

 こうした自分の置かれた状況を、本田は重々承知している。しかし、それでも彼はミランに残る道を選んだ。ミランでの最後のシーズンを、ほぼベンチで過ごすことになる可能性が高いにもかかわらず......。

 なぜか? もちろん冒頭にあげたような我慢ゲームを本当にしているわけではないだろう。ありていに言ってしまうと、この6月で30歳となった本田は、複数年の契約を保証してくれるチームを見つけることができなかったのだ。

 本田はプロのお手本のような選手で、チームにとって、いざという時には心強い存在ではある。それでもこの夏、本田が出ていきたいというのなら自由にさせる、というのがミランのスタンスだった。しかし一方で、本田をこのまま持ち続けていてもかまわないとも思っていた。変なトラブルは起こさないし、ベンチでおあずけを食わせても、おとなしく出番を待っていてくれる。

 獲得するのに一銭も払っていないから、今後契約が切れてタダで手放したとしても損はしないし、支払う年俸が天文学的数字というわけでもない。つまりミランも本気で本田の移籍先を探そうとはしなかったのだ。

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最終更新:9/5(月) 13:28

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