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日本人の「英語下手」は教育を変えても変わらない。その単純な理由 歴史は何度でも繰り返す

現代ビジネス 9月4日(日)6時1分配信

 2020年、この国の教育が劇的に変わる。その理念は「自分で考え、表現する人間を育てる」ことにあるそうだ。

 「画一的な詰め込み教育」からの離脱が子どもたちに何をもたらすかを考えた前回に続き、今回は、教育改革のもうひとつの大きな柱である「国際化(英語教育)」問題を考えてみたい。

 なぜ日本人はいつまでたっても英語が話せるようにならないのか? 答えはこの国の歴史を振り返ればわかるはずだ。

 文/堀井憲一郎(コラムニスト)

英語を習っても話せない問題

 「自分で考え、表現する人間を育てる」という目標の他に、もうひとつ今回の教育改革がめざしているのは、国際化である。

 東京大学や京都大学が、世界の大学ランキングの位置が落ちてきて、あせっている人たちがいるらしい。国の金をつぎこんだ帝国大学、つまり東大がアジアで1位でなくなったことにショックを受けている。気持ちはわからないでもない。

 国際基準に合わせて、日本レベルを上げたがっている。そうしないと日本が世界水準から遅れる。明治以来の〝世界世間さまの目〟を気にする態度からは、とても大きな問題である。

 それはわかるが、しかしそれが英語教育の問題に転嫁されている。

 英語は読み書きだけではなく、話せるようにしたい。

 毎度の提唱です。

 英語を習ったのに、まったく話せないとはどういうわけなの、という百年前から言われているポイントがまた問題になっている。

 また、その話です。勘違いの効率主義がみんな好きだよな、とおもってしまう。

 そもそもの問題は「読み書き」と「喋り」の隔たりにある。

 読み書きは頭脳の問題である。一人で部屋に籠もって、勉強すれば何とかなる。

 会話は身体である。スポーツと同じで、身体を使わないと覚えられない。周辺環境がとても大きい。

 英語だという共通点だけで「読み書き」と「自在な会話」というまったく別の働きを必要とする分野を同じ教科にするのは、おそろしく無理がある。「音楽」と「世界史」をどうせ海外のものだからと同じ教科にしているのと同じである。

 英会話は本来、体育・音楽・美術と同じエリアに分類されなければいけない。

 その「身体」と「頭脳」の距離をきちんと測ってないところに、英語教育改革の困難が露呈する。

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最終更新:9月19日(月)20時51分

現代ビジネス

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