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【よくわかる講座:マネジメント・管理職研修】管理職研修に盛り込む「プログラム要件」

日本の人事部 9/5(月) 7:30配信

1)「新任管理職(管理職昇格時)研修」の場合

●管理職に求められる必須の能力(役割)を集合研修で身に付けさせる

「新任管理職(管理職昇格時)研修」とは、管理職昇格者だけを対象とした教育プログラムである。管理職へと昇格した年度の比較的早い時期に行うことが多く、形としては「階層別研修」の一環として実施される。職位で言えば、係長、課長、部長が該当する。ただ最近では、新任管理職研修は課長職に特化して行われる傾向が強い。

管理職に昇格して、まず求められるのは、「(経営の一貫としての)管理職としての意識改革」と「部下の管理能力強化」である。研修では、この二点に対する役割を押さえた教育プログラムが必要となる。しかし、現在では多くの企業で組織がフラット化し、その結果、部下のいないスタッフ系の管理職やプレイングマネジャーが増えている。そのため、これらの管理職に対しては、部下がいる前提での管理職昇格時の教育と、プログラム内容を別途設けて行う仕掛けも必要になる。ところで、新任の管理職と既存の管理職の研修を同時に実施するケースもあるが、「管理者としての意識改革」など目的が異なる部分があるので、別々に行う方がいいだろう。

新任管理職研修に盛り込むプログラムとしては、以下のようなものが一般的である。また、ここに示したような新任管理職に求められる能力(役割)を集合研修などで身に付けされると同時に、昇格時というタイミングをとらえて、「コンプライアンス」や「ビジネス倫理」「メンタルヘルスマネジメント」など、新任の管理職として最低限知っておくべき「基礎知識」を習得させることも欠かせない。

2)「(既存)管理職研修」の場合

●既存の管理職研修では、組織化能力や部下の指導教育の強化が求められる

一方、「(既存)管理職研修」は、役割認識に重きを置く新任管理職研修とはやや異なり、管理職としての意識と行動の強化、そして管理能力の確認を主目的に実施することが多い。既存の管理職教育では、組織化能力や部下の指導教育の強化が目的となる。

管理職に対して求められる能力も、管理能力から経営知識や革新能力(事業創造力)に転換している。近年の環境変化の中で、管理職の変革能力が重要視されるのは当然のことだろう。戦略思考、マーケティング、ロジカルシンキングなどのテーマが増えていることも、最近の管理職研修の特徴だ。さらに、これからのマネジメントにおけるベースとなる異文化コミュニケーション能力、ダイバーシティ、倫理観、洞察力など、「人間力」の向上も必須となっている。

以上のように考えると、管理職研修で取り込むべき研修内容としては、以下のようなものが一般的になるだろう。しかし、どのような研修プログラムにするかは、各社が置かれた状況や抱えている問題点・課題によって異なるので、注意が必要だ。


【管理職研修に盛り込むプログラム内容(例)】

<課長職相当>
・経営環境、自社を取り巻く環境の理解
・マネジメント理論、ロジカルシンキング、リーダーシップ(経営戦略、組織活性化)
・生産・技術動向、マーケティング・販売動向
・財務関係(財務諸表の分析、コスト管理、利益管理)
・人的資源管理(HRM)(人材の活用、人事制度の運用、労働関連法規)
・異文化コミュニケーション能力、ダイバーシティ、倫理観、洞察力
・問題解決の手法 など

<部長職相当>
・経営課題の把握、経営トップへの提言能力
・将来的な経営を取り巻く環境の動向(国内外の政治・経済・社会動向、国際化、少子高齢化、情報化、グローバル化、価値観の多様化)
・経営戦略と新規事業開発(戦略思考)
・経営分析(財務諸表の理解と問題点の抽出)
・組織論と人間関係論
・文化、歴史、宗教 など


いずれのプログラムも講義だけではなく、ディスカッション、ケーススタディ、ビジネスゲームなどのグループワークを多用し、実践的に状況をシミュレーションしながら協働作業で行っていくことが効果的である。また、戦略的な判断力を養成するために、経営診断、組織診断の手法を用いたり、環境分析や経営計画の策定などの実習を含め、経営的な視点からの教育内容・手法を実施するケースが増えている。

最終更新:9/5(月) 7:30

日本の人事部

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