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これからの18歳選挙権―補助教材を活用してさらなる主権者教育を

政治山 8/26(金) 11:50配信

 70年ぶりの選挙権年齢拡大となった18歳選挙権について、参議院議員選挙やその後に告示された地方自治体の選挙において、連日、各地で様々な主体による取り組みが行われました。これらの取り組みは、教師と生徒のみによる教室内だけの取り組みにとどまらない様々な実践事例を生み出し、今後の集約、発信が期待されています。

 18歳選挙権に向けて編まれた総務省・文部科学省による副教材「私たちが拓く日本の未来」は話題を集め、「模擬選挙」はとりわけ大きな注目を集めています。

 例えば、「2016年の参議院議員選挙で18歳選挙権が実現される前に、未来の有権者に投票体験を」として早稲田大学マニフェスト研究所が推進した2つの模擬選挙推進活動(注)に対しても、地方自治体の首長選挙であったにもかかわらず、全国から参加校が集まっています。

注:早稲田大学マニフェスト研究所では、大阪W選挙(2015年)、熊本県知事選挙(2016年)において、候補者の政策討議資料の提供や模擬選挙実施にあたっての情報提供などを行っています。その様子は、以下のwebサイトにおいて参照できます。

大阪模擬選挙2015
http://osakamogisenkyo.strikingly.com/
熊本模擬選挙2016
http://kumamotomogisenkyo.strikingly.com/

模擬選挙から考える主権者教育の今後

 このような取り組みは、日本における主権者教育(注2)の内容、質の両面について、大きな変化をもたらしています。例えば、模擬選挙について考えてみましょう。18歳選挙権の導入が決定されるまでは、模擬選挙の実現を模索する先生方を除いた学校関係者の理解や姿勢も含めて、模擬選挙を実現するためには大きなハードルが存在していました。

 しかし、外部環境の変化や様々な主体による経験やノウハウの提供、選挙管理委員会による出前講座などの支援により、これまでよりも実現のためのハードルは下がっています。今後、改善が望まれる具体的な課題もありますが、副教材にも模擬選挙の実施方法が掲載されているように、適切な配慮を行えば生徒たちが最低限の投票体験を行うための環境を作ることは以前に比べて格段に容易になっています。

 文部科学省による調査(注3)では、2015年度に高校3年生以上の生徒の94%以上が主権者教育(政治的教養の教育)を受けていることが明らかにされています。現在のところ、その内容の多くは「公職選挙法や選挙の具体的な仕組み」に関することとなっており、「模擬選挙等の実践的な学習活動」は3割以下の実施状況にとどまっています。

 今後、様々な事例のノウハウが蓄積されることや、取り組みを通した学校や関係機関との相互理解が深まることで、生徒たちが政治の仕組みに関する知識の習得に加えて、地域の課題解決に主体的に参加していく力を得ていくための取組みが進められていくことが期待されます。

 他にも、主権者教育の充実に関する課題提起は行われています。「常時啓発事業のあり方等研究会」は、日本における主権者教育の課題として、若年層への取り組みとともに、すでに投票権を持っている世代に対しても課題を提起しています。そこでは、若年層よりも相対的に投票率が高いことを前提としたうえで、「投票の質」が課題として取り上げられています(注4)。

注2:「常時啓発事業のあり方等研究会 最終報告書」(2011年)では、シティズンシップ教育の内、政治教育に関する部分を「主権者教育」と定義しています。
注3:文部科学省「主権者教育実施状況調査について」:同調査を踏まえ、今後、各地の優れた事例を紹介する報告書の作成などに取り組むことが明らかにされています。
注4:例えば、当該指摘を受けて、総務省は「主権者教育のための成人用参加型学習教材」を開発、公開しています。

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最終更新:8/26(金) 11:50

政治山

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