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世界を動かすムーヴザワールド。その「乗り味」もワールドクラス

webスポルティーバ 9/5(月) 12:03配信

厳選!2歳馬情報局(2016年版)

第15回:ムーヴザワールド

 日本で生まれたサラブレッドの中には、今や世界から注目を集める馬も少なくない。それを示すのが、例年7月に開催される競走馬のセリ市「セレクトセール」の近況だ。当初は、日本の馬主のみが参加していたこのセールだが、近年はヨーロッパや中東の大オーナーが来日し、日本産の上場馬を競り落としていく。

■前回の写真。兄と同様の活躍が期待されているリナーテ

 2014年のセレクトセールでも、母リッスンが2013年に生んだ1歳馬(父ディープインパクト)を、カタールのファハド・アル・サーニ殿下が2億6000万円(税別)で落札。この仔馬はその後、イギリスに渡って競走馬となった。

 海外の大オーナーがこれほどの大金を払ったのは、その血統背景が素晴らしいからに他ならない。何より、母リッスンは海外のGIフィリーズマイル(イギリス・芝1600m)を制した実力馬。そのうえ、リッスンの姉たちも海外で輝かしい結果を残していて、その姉の子どもたちが海外の重賞タイトルを数多く手にしているのだ。

 そして、前述のセリのあとだったものの、リッスンが日本で生んだタッチングスピーチ(牝4歳/父ディープインパクト)も、2015年のGIIローズS(阪神・芝1800m)を制覇。リッスン自身、繁殖牝馬として優秀であることを証明した。

 さて、そんな世界的な血統のファミリーから、また1頭デビューを迎える2歳馬がいる。母リッスンの仔、ムーヴザワールド(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 自然と期待が高まる同馬は、どれほどの素質を秘めているのか。育成を担当したノーザンファーム空港牧場の高見優也氏は、春の取材でこう話していた。

「(春の時点で)530kgを超える馬体を持っています。それだけ大きい馬体ながら、走り出すと動きが素軽いんですよね。フットワークや跳びが大きくて、他の馬より一完歩の距離が広いです。他馬とは違う感覚ですね」

 これだけの血統と、大きなフットワークを持っているからこそ、スタッフが掲げる目標は明確だ。来春の3歳クラシックである。高見氏が語る。

「能力的に期待したい1頭ですね。折り合い面も問題ありません。調教のペースはいつでも上げられそうですが、あくまで目指すのは来春のクラシック。それに合わせて、じっくりと進めていきたいです」

 春以降も丹念に調整されてきたムーヴザワールドは、現在、所属する石坂正厩舎(栗東トレセン/滋賀県)に入厩している。今のところ、9月下旬のデビューを見据えて調整中だ。

 外国の一流馬主をも惹きつける、母リッスンの血統。その名血を持ったムーヴザワールドは、世界を驚かせる走りを見せられるか。注目のデビューまで、まもなくである。

河合力●文 text by Kawai Chikara

最終更新:9/5(月) 12:03

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