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この世界のどこかで、AIは既に「神」になっているかもしれない --- 松本 徹三

アゴラ 9/5(月) 16:30配信

最近はAI(Artificial Intelligence)という言葉が一つの流行語になっている様だが、この言葉を使っている人達の多くが、どれだけその本質を理解しているかは疑問だ。はっきりしている事は、これから10年以内に実用化されるかもしれないロボットなどは、その極めて初歩的で些細なアプリケーションの一つにしか過ぎないという事だが、多くの人達の想像力は、その程度のところで止まっているのではないだろうか?

想像を絶するAIの潜在力

産業革命は、人間の肉体労働の多くを機械で置き換える事により、数々の問題を内包させながらも、人間の生活水準を飛躍的に向上させた。そして、コンピューターは、人間の頭脳のもつ論理的な推論能力を代替し、その効率を飛躍的に向上させる事に成功した。しかし、現在のコンピューターが代替し得るのは、人間の頭脳が持っていると思われる巨大な潜在能力の内のほんの一部でしかない。

AIのベースはコンピューター・テクノロジーだが、それがこれまでに存在したコンピューター・システム本質的に違うのは、人間の頭脳のほんの一部だけを代替しようとするのではなく、その全てを代替しようという発想から出発している事である。想像力や創造力も勿論その中の一つだ。人間の頭脳の論理能力は大した事はないが、恐らく想像を絶するレベルの膨大なメモリーの中から多くの仮説を瞬時に抽出する潜在能力をもっており、有能な人達はこのプロセスによって新しいアイデアを生み出しているのだと思う。

これまでの人類の進歩の殆どは、自然科学分野たると人文・社会科学分野たるとを問わず、一握りの天才達の業績の積み重ねによってもたらされてきた。AIは、この天才達が自分の頭脳のどの様な能力を使って新しいアイデアを得てきたかを解析し、これを模倣する事から始めるだろうが、これを進めていけば、AIは、自然界がもたらしたのとは比較にならない程のスピードと密度で新しい天才達を量産し、しまも、その天才達がそれぞれに自分達を超える次の世代の天才達を作り出していく事になるだろう。

しかも、「膨大な量のメモリーが共有されて日夜増殖していくクラウド環境」の中で実現されるこれらの天才達の業績は、瞬時に他の天才達と共有されるから、その相互作用は、あらゆる分野に幾何学級数的な発展をもたらすだろう。

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最終更新:9/5(月) 16:30

アゴラ

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