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きゃりーぱみゅぱみゅが見せた、ワールドクラスのエンターテインメント

リアルサウンド 9/5(月) 13:06配信

 きゃりーぱみゅぱみゅが、8月20日に日本武道館にて『KPP 5iVE YEARS MONSTER WORLD TOUR 2016』のツアーファイナルを迎えた。シンガポール、シドニー、メルボルン、ロンドン、サンフランシスコ、ニューヨーク、台北と5カ国7カ所を巡り、凱旋公演となった東京でのライブはワールドクラスのエンターテインメントを展開するものだった。

 今回のツアーは、デビュー5周年アニバーサリーイヤーの一環として開催。5月25日にリリースしたベストアルバム『KPP BEST』収録曲「5iVE YEARS MONSTER」に合わせ、きゃりーが自由に踊りながらツアーを紹介するPRムービーも事前に公開されていた。ツアーテーマは「フラワーモンスター」。映像の中で、きゃりーはフラワーをイメージした新衣装を纏っており、会場のステージにも巨大なラフレシアが鎮座していた。

 そのラフレシアの口が大きく開くと、オープニングナンバー「KPP ON STAGE」に乗せてツアーテーマ衣装を着たきゃりーが登場。ツアータイトル曲でもある「5iVE YEARS MONSTERS」をダンサー4人と共に披露し、盛大なライブのスタートを切った。「ワールドツアーでたくさんの国をまわってきたんですけど、残すところ今日の東京で本当の本当のツアーファイナルになります! みなさん是非楽しんでもらえたらいいなと思っています! ペンライトの色をイメージしたいろんな色の世界にみなさんを連れて行きたいなと思っています! 準備はいい!?」。きゃりーのグッズには赤、青、黄、緑、紫の5色に点灯するペンライトが存在する。昨年、筆者が東京国際フォーラム ホールAで観た『きゃりーぱみゅぱみゅ JAPAN HALL TOUR Crazy Part Night 2015』の際も、このペンライトを用いた演出が何曲かあったが、今回のツアーはきゃりーの衣装に合わせてペンライトを点灯させる、よりライブ演出をファンに委ねた趣向だ。オープニングでのきゃりーの衣装の色は「赤」。きゃりーが会場のファンにペンライトの点灯を呼びかけると、次に披露した「キミに100パーセント」、「CANDY CANDY」では会場が赤のペンライトの光に包まれた。

 会場の雰囲気が一変し「青」に染まると、ステージ上には波をイメージしたクロスがたなびき、客席のアリーナにはクラゲを模した幾つもの傘が上下に浮遊。会場を大きく使った演出に気を取られていると、いつの間にかたくさんのダンサーがステージ上に集結し、舞台袖から衣装、髪色をブルーにチェンジしたきゃりーが神輿に担がれ登場した。登場までの演出は、まるで竜宮城に迷い込んだかのような錯覚に陥ると同時に、彼女が世界各国でたくさんの観客を驚かせてきたことを想像させた。そのまま、海外でも認知度の高い“忍者”をモチーフにした楽曲「にんじゃりばんばん」、「インベーダーインベーダー」「Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~」とキラーチューンを披露していった。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)のアトラクション「きゃりーぱみゅぱみゅXRライド」のテーマソングである「コスメティックコースター」に乗って登場したのは、傘を差し「ピンク」の幾何学模様の衣装を着たきゃりー。ハットを被り、傘を差し、たくさんのシャボン玉と共に舞うその情景は、まるでミュージカル映画『メリー・ポピンズ』を想起させ、改めてこの“ワールドツアー”が万人にむけて表現されているものであることを再認識した。きゃりーが初めて武道館でライブを開催したのは、デビュー1年目の2012年。その時のことについて、「妖精さんになって、ここに羽をつけて金の粉を撒きながら空を飛んだんです。今回は、何がいいかなと考えたんですけど、また空を飛びたいということで今回は違う形で空を飛んでみました!」と明かした。まだ一度もファンの前で歌ったことのない「KISEKAE」では、ペンライトの5色による“着せ替え”でファンとの一体感を生んだ。

 サンバのリズムに乗せジャングルをテーマに「緑」をあしらい現れたきゃりーは、木琴で「もったいないとらんど」の演奏に挑戦。終盤で音を外してしまい失敗するも、すぐに再チャレンジし完走しきると会場には大きな拍手が巻き起こった。盛り上がりはそのまま「きらきらキラー」「ファッションモンスター」「つけまつける」と有名曲を連投していく。「ファッションモンスター」では、客席まで熱気が伝わって来る大きな火柱が上がり観客を驚かせた。本編ラストには、「私のとってもお気に入りの力強い曲でお別れしたいと思います。スペシャルバージョンでお届けするんで楽しみにしててください!」と話し、低音が強調された「もんだいガール」をパフォーマンスした。この曲は作詞を務めた中田ヤスタカ(CAPSULE)が、きゃりーのプライベートの状況を逆手に取り彼女の思いを投影させた楽曲。今年、5月12日放送の『SONGS』(NHK総合)できゃりーは「初めて<機械みたいに生きてるわけじゃない>って歌詞を見たとき泣きそうになりましたね」と語っており、デビュー5周年を迎えた彼女にとって大きなターニングポイントとなった楽曲だ。歌唱し終えたきゃりーはあごの下にVサインを作り、満面の笑みでステージを後にした。

 アンコールできゃりーは、百合の花をイメージした「白」の衣装で登場。等身大の自分を歌った「Unite Unite」では、2012年に同じ武道館で開催した際のライブ映像がスクリーンに映し出された。続けて披露したのは、奇抜なMVと哀愁を帯びたメロディーが印象的な「PONPONPON」。きゃりーぱみゅぱみゅの名を世界に轟かせた代名詞とも言える曲だ。この日の「PONPONPON」は少し楽曲の構成が変わっており、Aメロをラストにリフレインしていた。繰り返される<もしあの街のどこかで チャンスがつかみたいのなら まだ泣くのには早いよね ただ前に進むしかないわいやいや>という歌詞が、世界をまわってきた彼女の境遇とリンクして聴こえた。

 きゃりーは各国を巡ってきたことを振り返りながら、「本当にたくさんの方からエネルギーをもらいました!」と観客に感謝の意を告げた。アンコールラストに披露したのは、「ファンへの感謝の気持ち」を歌った5周年記念ソング「最&高」。天井の白色の照明が全灯し、会場一面に紙吹雪が舞う。「みんな今日は本当にありがとう! とっても楽しかった! またみなさんの前に現れてライブをたくさんします! またね!」とファンにメッセージを伝えると、きゃりーはステージのラフレシアの中に消えていった。

 昨年、筆者が観た公演でもきゃりーは幅広い客層のファンとの会話を楽しみ、最後に「またライブをします!」と約束をしていた。5周年を迎え、きゃりーの活動の現在の基軸はライブにあり、そのライブを楽しんでくれるファンを大事にしているのだろう。きゃりーは、11月9日に海外アーティストとのコラボ楽曲を収録した13枚目のシングルをリリース。そして、ライブツアー『中田ヤスタカ × きゃりーぱみゅぱみゅ SPECIAL DJ × LIVE ZEPP TOUR 2016』を開催し、来年には早くも国内ホールツアーが決定している。彼女のポップでファンタジーな世界観は、これからもとどまることはなさそうだ。

渡辺彰浩

最終更新:9/5(月) 13:06

リアルサウンド

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。