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共感から「参加」へ 変わるエシカル消費

オルタナ 9/6(火) 21:38配信

食の安全性が叫ばれるなか、作り手の顔が見える販売サイトは増えている。そこでは、作り手のストーリーを伝え、消費者の共感を獲得していった。ここへきて、その動きにある変化が見られる。キーワードは、共感から参加へ。変わるエシカル消費の最前線を追う。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

ポケットマルシェ(岩手県花巻市)は9月5日、生産者から食材を購入できるスマフォアプリをリリースした。そのアプリの名称は、会社と同名の「ポケットマルシェ」。

同アプリには、全国100以上の農家・漁師が登録している。生産者それぞれが自慢の食材を販売する。アプリ上で、生産者と会話することもできるので、スマフォを通して、マルシェに来たような気分が味わえる。無料でダウンロード可能だ。

農林水産省によると、新規就農者の3割は5年以内に離農する。その最たる要因は、不安定な収入だという。補助金が切れるタイミングとも重なる。そこで、同アプリでは、販路開拓を支援した。

直接販売で煩雑とされていた、出品から配送、顧客管理まで、アプリ上で処理できるようにした。配送では、ヤマト運輸と提携し、注文が入ると自動的に配送伝票をドライバーが生産者へ届ける仕組みになっている。

販売価格は生産者側で決められる。これまで生産者は農協や漁協に販売を委託していた。つまり、生産者に価格決定権がなかった。

ポケットマルシェにも出店している石巻のワカメ漁師の阿部勝太さんは、「モノが良いか悪いかで値段が正当に評価されるのではなく、市場や業者さんの事情で価格が決まっていた」と現状への不満を明かす。阿部さんは収益を上げるために、ほかの浜の漁師と組合をつくり、独自に販路を開拓した。漁協を通さないことで、批判も受けたが、協力費を納めることで、認めてもらった。

ポケットマルシェに出店している生産者は、手数料として売上高の15%を同社に支払うが、価格は自分たちで決められる。各地域によって、農協や漁協の縛りは異なる。本間氏は、「(出店者は)それぞれが交渉して、出店している」と話す。

ポケットマルシェの本間勇輝取締役は、このアプリの最大の特徴について、「ごちそうさまが伝えられること」と言う。これまで、生産者とコミュニケーションを取る機会は限られていた。このアプリを通して、感謝の気持ちが伝わるので、「生産者としての仕事に誇りを感じてもらえるはず」とする。この誇りが、担い手を育成する最大のカギと、本間氏は見る。

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最終更新:9/6(火) 23:10

オルタナ

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